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シルヴィオ王の部屋でシルヴィオ王と食事をして、その後セリムに風呂場に連れて行ってもらった。
かなり広い風呂場で汗と汚れを落として、外で待っていたセリムの後について部屋に戻る。とても疲れたし早く寝ようとベッドに潜り込もうとすると、「違う。こっちだよ」とセリムに腕を引かれてシルヴィオ王の部屋の中へ押し込まれた。
「は?なんで?俺、そっちで寝たいんだけどっ」
「すまないカナデ。シルヴィオ様に『部屋で待たせておけ』と言われている。すぐに戻って来られるから、大人しく待ってて」
「はあ?嫌だよっ」
俺の部屋に繋がる扉を押したり叩いたりするけど、向こう側からセリムが押さえているのか、ビクとも動かない。
だったらせめてこの部屋から出ようと大きな扉に近づき取っ手を掴んだ瞬間、急に向こう側へと開いて、俺の身体が前のめりによろけた。
「なんだ。俺を待っていたのか?」
よろけた俺を抱き留めて、シルヴィオ王が嬉しそうに笑う。
俺は、腕を突っ張って身体を離し、シルヴィオ王を下から睨みつけた。
「違うし。この部屋に閉じ込められたから逃げようとしてたんだよっ」
「なるほど…。だが、この部屋にも魔法を施してあるから、おまえでは扉を開けることは出来ないぞ」
「えっ…、うそ…。…まあ、別に閉じ込めるなら閉じ込めてもいいけどさ、俺の部屋でいいじゃん。なんであんたの部屋に閉じ込めるんだよっ」
「今夜一晩、おまえを可愛がるからに決まってるだろう」
「…えっ?」
シルヴィオ王の言葉に驚き固まる俺を、シルヴィオ王がヒョイと抱き上げてベッドまで連れて行き、ゆっくりと下ろした。そして俺の身体を跨いで両手両足をつき、上から見下ろしてくる。
するりと頬を撫でられて、俺は慌てて身を捩って暴れた。
「いっ、嫌だっ!なにするんだよっ。俺は男だよ?俺なんか抱いても楽しくも何ともないからなっ!」
「そんなことはない。俺は今、おまえに一番興味を抱いている。その美しい肌がどう色づくのか、どんな味がするのか、おまえはどんな声で鳴くのか、楽しみで仕方がない…」
「はあ?お、俺は嫌だっ!好きでもない奴に触られたくないっ!」
「諦めろ。この国では俺が絶対なのだ」
「…い、嫌だ…っ。アルっ、アルっ…!う…ぐっ、うえっっ」
「おいっ、どうした!」
俺の身体を這うシルヴィオ王の手を押さえながら頭を振って拒否をしていると、いきなり吐き気が込み上げてきて、慌てて顔を横に向けて吐いた。
胃と喉が痛くなるまで何度も何度も吐いて、やっと収まったと思ったら、今度は激しい頭痛と寒気でガタガタと震え出した。
ーーうわぁ…、なにこれ、気持ち悪くて最悪…。今日はとことんついてない日だな…。
自分の出した物の饐えた匂いに辟易しながら、ぼんやりとそんな事を思っていると、濡れたタオルで汚れた顔を拭かれた。
ゆっくり動かした視線の先に、シルヴィオ王の困った顔がある。
顔が綺麗に拭かれると、今度はフワリと身体が浮いて、俺の部屋のベッドに運ばれた。
「セリム。カナデが吐いて熱がある。医師を呼んでくれ」
「はい。今すぐに」
声は冷静だったけど、セリムが慌てて部屋から出て行く。
シルヴィオ王は、ベッドの端に腰掛けると、身体がとても熱くてハアハアと荒い呼吸を繰り返す俺の手を握り、「大丈夫だ、すぐに良くなる」と低く囁いた。
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