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犯人捜し 2
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傍から見たら胸焼けするようなイチャイチャとした食事を済ませて、アルファムの膝の上で寛いでる時だった。
アルファムの胸に頬を寄せて、お腹がいっぱいで再びウトウトとしかけていた時、扉がコンコンと叩かれた。
「何用だ」
俺の髪の毛を梳きながら、アルファムが尋ねる。
「シアンです。ただいま戻りました」
「…入れ」
「はい。失礼します」
ゆっくりと扉が開いて、シアンが入って来た。
俺とアルファムの傍に来ると、一礼をして「アルファム様…」と緊張した声を出す。
「何かわかったか?」
「はい。カナデ様に毒を盛った犯人がわかりました」
「えっ!ホントに?」
「そうか。よくやったぞ、シアン」
アルファムの声も強ばった気がする。
俺を殺したいと思ってるのが誰なのかと、思わず両手に力が入る。
「それで犯人は?」
「はい。既に捕らえて地下の牢に入れております」
「えっ!捕まえたの?」
「ええ。カナデ様、これで安心して過ごすことが出来ますよ」
俺は安堵の息を吐くと、アルファムを見上げた。
アルファムも目を細めて俺を見ている。
俺の額にキスを落とすと、シアンに顔を向けた。
「シアン、今からそいつに会いに行く。一人でやったことなのか、誰かの命令だったのか、聞き出さなければならない」
「アル!俺も行く!」
「カナはここで待ってろ。…と言っても、聞かないのだろうな」
「だって、俺のことだよ?なんで狙われたのか理由を知りたいっ」
はあっ、とアルファムが大きな息を吐くと、眉尻を下げて覗き込んできた。
「理由を聞いて嫌な気持ちになるかもしれんぞ?それでも行くのか?」
「うん。もしかして、知らない間に俺が誰かを傷つけてたのかもしれないし…」
「はあ?優しいおまえがそんな事する訳ないだろうが。それに絶対にあるわけないが、もしおまえが誰かを傷つけていたとしても、それを恨んで殺そうとする方がひどいぞ?俺は、おまえを危険な目に合わせたそいつを許さない」
「う…うん…。そうだね…」
アルファムが少し怖い顔をして、俺の頭をそっと抱き寄せた。
俺は毒で熱を出して、ずっと寝込んでいただけだけど、アルファムは、苦しむ俺を目の当たりにしていたせいか、俺よりも犯人に怒ってるみたいだ。
そんなアルファムが無茶をしないように見張る意味もあって、俺はアルファムと共に犯人のいる地下牢へと向かった。
地下牢の、シアンが入っていた牢とは反対側の通路を奥へと進む。
一番奥の突き当たりにある牢に、犯人が入れられているようだった。
先導していたシアンが横に退いて、アルファムが一歩前へ出た。
俺はアルファムの後ろから、暗い牢の中を目を凝らして見た。
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