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* Scent.1 *
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どうしてオメガだというだけで、こんなにも生きにくくて浅ましくて惨めなのだろう。
自分でも知らなかった底抜けの欲望に、立花は泣きじゃくって唯一それを満たしてくれる男達に身を委ねた。
……────。
何時間犯され続けたのか分からない。
窓もカーテンも閉め切ったホテルの一室で、立花はようやく目を覚ました。
頭はずきずきと割れるように痛くて、いろいろと無茶な体勢で男と代わる代わる相手をさせられていたので、身体が重く指一本動かすのも億劫だ。
情事の際に使われた薬はまだ完全には抜けていないが、渇望感は幾分か和らいでいる。
シーツの上に投げ出した腕には、針を刺した痕が増えていた。
点々と散りばめられているそれをぼんやり眺めているうちに、辛いことを思い出してしまう。
立花がオメガと判明した日から半年も経たずに両親から捨てられてしまったこと、そして遠い親戚だと言って包海家が天涯孤独の立花を引き取ったこと。
──辛くない……辛くない。セックスするだけでお家に置いてもらえるんだから、叔父さんには感謝しなきゃいけないのに。
あのまま包海家に声をかけられていなかったら、自分はどうなっていたか、想像するだけで身の毛がよだつ。
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