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傾注
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ーーあいつに惚れた。
人を本気で好きになったことのない自分が
その声に、表情に、性格に。
狼狽、戸惑いーー、それに似た感情をいくつも抱いた。
最初はただの興味心からだった。
自分を見向きもしないあいつに興味を持っただけだった。
けれど、日に日にあいつを観察していると、分かったことがいくつもあった。
以外と面白いやつだったり、すげえ優しかったり、気遣いしてたり、
いろんな一面を見てもっと興味を持った。
だが、それと同時にあいつがずっと見ているaが気に食わなくなってきた。
あいつがどんなに好意を伝えてもaは聞こえないフリをして知らん顔するんだ。
あいつがどんなに熱い視線を送っても気づかないふりをしてるんだ。
あいつがaのためにどんだけ頑張ってもあいつは気づかないんだ。
あいつの好意に、胡座をかいている。
それが何故だか悔しかった。
それはずっと、一途にaを好きなあいつに同情しているだけだとおもっていた。
けれど、そうじゃなかった。
あいつを目で追ってるうちに、知らないうちに、俺はあいつを好きになっていた。
信じられなかった。
誰かを本気で好きになったことのない自分があいつを好きになったから。
最初は信じることができなくて、気のせいだと思っていた。
だけど、だんだんと本心を打ち明けてくれるようになったあいつを見ていて嬉しかった。
そんな時だった。
ふと顔を上げた時、あいつが切なそうにaを見ている姿を初めて見た。
その顔に俺は酷く魅了された。見たことのない表情に胸がなった。
それからの行動は早かった。
その日以降、俺はあいつに猛アタックするようになった。
人を本気で好きになったことがないからどうすれば振り向いてもらえるか、
自分なりに頑張って調べた。たくさんの女子が登録されてるチャットアプリで
たくさんの女子に聞いた。今以上にかっこよくなるために運動も勉強も頑張った。
俺の努力が重なるごとに、あいつは俺にどんどん心を開いていった。
ーー嬉しかった。
その時だった
あいつが笑った。
ーー目を奪われた。
瞬きをすることなんてどうでもよくなるくらい、じっと見つめていた。
綺麗だった、可愛かった。
今すぐにでも抱きしめたくなった衝動を抑えた。
その時、俺は気づいた。
ーーまたあいつに惚れた、と。
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