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翌日。
社会人や学生が乗る満員電車で揺られながら、大学へ向かう。
“次はー◯◯ー、◯◯ー、お出口は左側です”
大きな駅で大体の人が降りていくが、また沢山の人が入ってきた。
人混みに流され、反対側のドアに押し潰される。
(うぅ……もっと早く出ればよかった…)
だが今さら後悔しても遅い。
体制を立て直し、電車に揺られていると、誰かにお尻を触られている気がした。
(え?)
ただバックが当たっているだけでも無さそうだ。
明らかに撫で回すように触られている。
(気持ち悪…俺を痴漢するとかひろとさん並みの変態も居たもんだよまったく…)
まぁひろとさんに触られるのは大好きなのだが。
そんなことを思っていると、服の中に手が入ってきた。
(はぁっ?!流石に無理っ)
乳首を触られ、全身に悪寒が走って鳥肌が立った。
“次はー◯◯ー、◯◯ー、お出口は右側です”
自分のいるドアが開き、なんとか途中の駅で降り、それ以上進むのを防いだ。
小走りで改札へ向かい、少し走ったところで息を整えた。
「気持ち悪……なんで朝からこんなことされなきゃいけないんだよ…」
悔しくて涙が滲んだ。
袖で拭いながらバス停へ向かい、バスに乗って少し遅れで講義に参加した。
「遅かったじゃん。どうしたの」
席を取っていてくれた旭日に小さい声で聞かれる。
「電車で…痴漢に会った……」
「えっ!」
旭日の声がデカイせいで目線が集まる。
「…そこの君。授業を受ける気がないなら休み扱いにするからね」
「す、すみません…」
渋々謝り、小さい声で話した。
「バスで来たから少し遅れちゃったよ…」
「許せねぇなその痴漢野郎」
拳を作っている。
「よし、明日から一緒に大学行くぞ」
「…ありがとう」
頼もしい友人を持ったものだ。
その日はずっと触られた感覚が取れず、大学の食堂の食べ物が喉を通らなかった。
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