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episode1
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英語が飛び交う会議にギリギリ間に合ったが、谷くんからの視線が痛い。
「れい、ここの予算はどうするつもりなんだい?」
「あぁ、そこは足りなくなったら僕の自費から出すことにしたよ。文句はないよね?」
「そう言うことなら文句はないぞ。」
「じゃあ、僕の話したいことも終わったし、研究室に戻るね。」
「なんでだ!?会議が始まってから30分も経ってないぞ!?おまえの助手が持ってきた資料も検討してないし、おい、れい!れい!!!」
僕は早々にカフェを出た。忘れてたんだ。今日の夜までに日本に戻らないと行けない事。
「先生!!」
「谷くん、どうしたの?」
「どうしたのって、それはこちらのセリフですよ。急に出ていくから…。」
「いや、さっき思い出したんだけど、今日の夜までに日本に戻らないと行けなくて…。」
「日本!?それなら早く言ってくださいよ!!なんの用で行くのか知らないけど、1時間後の便抑えておくので30分で準備して来てくださいね、上の入口で待ってますから!!」
そう言って谷くんは会議室の方へと走っていった。こういう時有能な助手に恵まれたなぁって感じる。
「僕も急がなくちゃ。」
それからは急いで準備をして谷くんも準備をしてくれたおかげで無事に飛行機に乗れた。
徹夜したせいか機内椅子に座った瞬間眠りに落ちた。
「澪は僕みたいな大人になったらダメだよ。」
「なんで??僕は先生みたいな立派な大人になりたいのに??」
「それは僕が澪だけに見せてる部分だからだよ。僕はどうしようもない人間だよ。自分の幸せの為なら何だってする人間のクズだよ。」
「でも、、、でもっっ、僕は先生の優しいとこも面白いとこも知ってるもん!!」
「うんうん、そうだね。今みたいな大人になれたのは澪に会ったおかげかなぁ。」
「…僕の……おか、げ??」
「そうだよ。でもね、澪、人間の根本ってそう簡単には変わらないんだ、ごめんね、、、澪。」
「なんで、なんで、先生が謝るの??どうして…泣いてるの??」
「ごめんね、澪。本当にごめんね。じゃあね。…………もう、さようならだ。バイバイ僕の愛しい澪。」
パッと目が覚めた。何か懐かしい夢を見てた気がする。頬に伝う涙が不思議で仕方なかった。
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