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episode8
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たまに見るこの夢は真っ白な空間に3人の子ども達が登場する。3人とも同じセリフ、同じ服、同じ髪型、何回も繰り返し見る夢。
「おーい、れーいくーん!!」
「なーにー??みちちゃんー」
「きのうのー、ちゃんと出来たのー?」
「出来たよ〜!」
「やっぱり、れいくんすごいや!私たちの中でいちばん頭いいもんね!」
「あ、れいとみち!探したぞ!今あの人達いないからこれして遊ぼーぜ!」
「あ、ほんとだぁ、ここのフロアにはいないみたいだね。」
「れいのその能力いいよね!みちもその能力がよかったなぁ。」
「そうかなぁ?みちの浮遊する能力のほうが僕的にはすきだなぁ。」
「おれはどっちもの能力がすきだぞ!!」
「ふふっ、きみはいつも元気がいいよね_____
ぱち
ぽやぽやした頭で目が覚めた。
「あ……。」
頭上から戸惑ったような声が降ってきたから声のする方へ顔をやると、かわいらしい顔立ちの少年がしゃがみこんでいる。
「あ、えーと……こんにちは??」
カーテンから漏れる光の明るさに昼くらいだろうと判断できた。少年は黙ったままだったから僕は上半身を起こし、気を失う前の記憶を辿る。
暗くて見えなかったこの一室だったが、この少年がカーテンを開けてくれたのだろうか。大きな仏壇と子どもの勉強机が置いてあるのがわかる。
「…っあの、、お兄さん、は誰ですか??」
ハッとしたように尋ねてくる少年に愛想良く笑顔で答える。
「僕は、……そうだね、居候なのかなぁ。」
曖昧な返事をした僕に想定外だったのか、素で返してきた。
「かなぁって、、さよばあちゃんの知人の方じゃないなら警察呼びますよ。」
「さよちゃんとは今日知り合ったばっかだけど、警察は勘弁かなぁ。」
本当に数時間前に知り合ったばかりだけど警察には勘弁してほしいんだよねぇ。いまいち自分の現状も理解していないのに事情聴取でもされたら記憶喪失扱いか精神異常者として扱われるのはわかりきってるから……
「そうですか、さよばあちゃんが帰ってきてから確認しますので逃げないでくださいね。」
そう言って少年は部屋から出ていった。
「小さいのにしっかりしてるんだねぇ。」
完全に独り言のつもりだったのに、
「僕はこれでも14歳ですので。」
あ、聞こえちゃってたのね…
ひょこっとドアから顔を出してまた戻っていく。
「さよちゃん、まだかなぁ。」
ここから動こうものなら即通報されそうなので動けずにいる。
それから1時間後さよちゃんが帰ってきて無事確認出来たところで少年の紹介が始まった。
なんとなく予想はしてたけど、あの少年はさよちゃんの孫で才川史遠(さいかわしおん)今は春休みなのでさよちゃん家に滞在するみたいで、僕はと言うと帰る場所もなければお金もないとはいえ、さよちゃんの家に留まるのもあれだし、手掛かり探しに目覚めた場所にでも戻ってみようかなぁ。
それから夕方になるまでさよちゃんとおしゃべりを続けて、夕飯の準備を手伝い、ご飯を食べてお風呂に入る前が今なのだが……
こんな夜に出かけるのもかなり怖いがさよちゃんに聞いたところこの辺りは動物はいるにはいるが小動物しかいないので危険ではないとの事。
僕は置いてった荷物を取りに行くと言い懐中電灯を貰い、家を出た。
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