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年上ってずるい3
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ーーーキヨ視点ーーー
好きなゲームなんですか、そらるさんゲーム好きっすよね。
今度一緒やりませんか?
今回のお礼も兼ねて。
「.....キヨくんどうしたの、大丈夫?」
「なんでもないです...」
あぁもう全然言葉が出てこない。
言いたいことだってたくさんあるのに。
何故だろう、さっきから心臓がうるさい。
そらるさんは心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「顔赤いよ、体調悪いの?」
「いや、本当になんでもないんで....」
「そーぉ?ならいいけど」
少し不満気に返された返事にさらに鼓動が速くなる。
お、おおお、落ち着け、俺...!
何慌ててんだよ、さっさと言え。
今度一緒にゲームしませんか、って。
はやく、俺の家に着く前に。
「...キヨくんさ」
「はいっ!?」
裏返って変な声が喉から出る。
そらるさんはおかしそうにくすりと笑った。
「そのスキニー、もうやめた方がいいかもね」
「...お気に入りなんだけどなぁ」
「太腿の形も腰の形も全部出ちゃうし。また襲われかねないよ」
「それはちょっと...」
「でしょ。キヨくん足細いし長いし、綺麗だからね。」
そらるさんは少し意地悪に微笑んだあと、俺の耳に口を寄せた。
「....俺も襲いたくなっちゃう、かも」
「ーっ!?」
ふわりと花のいい香りが鼻をかすめる。
柔軟剤か何かだろうか。
「....あれ、完全に脈なしだと思ってたんだけどなぁ。そんなに真っ赤になる?俺期待しちゃうよ、キヨくん」
「それは、どういう.....」
「んー?キヨくん家ここじゃない?」
そらるさんが急に前の建物を指差す。
気づけば俺の家の前まで来ていた。
結構な道のりを歩いた筈なのに短く感じてしまう理由ぐらい、もう分かってる。
そらるさん、と呼ぶと前の影が振り返った。
「なぁにキヨくん」
「...あの、その、え…っと」
顔に熱が集まっていくばかりで言葉が全然出てこない。
なんで俺こんなに緊張してるんだろ。
「…ふふ、」
そらるさんが小さく笑った。
「え、俺笑われた…?」
「あははごめん、キヨくん可愛くて」
「かわ…っ?!」
ちょっと背伸びをして、俺の頭をぽんぽんと叩く。
「次一緒に食事でもどう?」
「…ぜひ!」
「うん、おっけー。連絡するね。じゃあまた」
俺の髪の毛を耳にかけながら、そらるさんは柔らかく微笑んだ。
…び、びっくりしたぁ…
急に少女漫画みたいなことするのはやめて欲しい、俺の心臓がもたない。
ひらひらと手を振りながら、そらるさんの背中が遠ざかっていく。
「あーもう…なんだよあれ、ずりぃ…」
俺から誘おうと思ったのに。
これだから、余裕のある大人は嫌いだ。
end
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