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活動記録No.2広橋凪-4-
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第一印象は怖かった肇だったけど、そのあと何かと6人でいることが多くなると、意外と面白いんだなって思った。
それから、僕が肇を好きになるのに時間はかからなくて、高1の文化祭の時に勢いのまま告白した。
………あぁあれは恥ずかしかった。
少し笑いながら半年前を思い出す。
「肇、遅いな……」
肇の「少し」はだいたい5分かからない。
けど、もう15分以上たってる。
さすがに遅いよね………
そう思って教室を出る。
生徒会室かな?なんて考えながら、隣の教室を通ると、そこで藤桐君と話す肇がいた。
「何してるんだろう?」
不思議になってドアに手をかけた時だった。
「で、お前は結局フッたわけ?」
「それしかなかったんだよ。」
「まぁ、俺が言ったところでどうしようもないけどな。」
「じゃあ口出しすんな。お前はあいつとそのまま付き合ってれば良いだろ。」
「蒼真も嫌味を言うようになったな。そうできれば一番良いけど。」
「俺には無理だっただけだ。お前は広橋泣かすなよ。」
──ガタッ
「っ!」
自分の名前が出たことに驚いて、思わず体が震えた。その拍子にドアにかけてた手がドアを少しだけ開けてしまって。
その音に気づいた2人がこっちを見た。
「凪。」
「広橋。」
どうゆう話だったかは、全然理解できなかった。だけど、藤桐君と肇の断片的な言葉。
フッただとか、付き合ってればいいだとか、あんまり良い話じゃないらしい。
「凪、教室にいろって言っただろう。」
「あ……ごめ、僕……。肇、遅かったから……
聞くつもりなんて、なかった……」
肇の言葉がまるで僕を責めているように聞こえて、思わず謝る。でも僕の口からでたのは言い訳じみた言葉ばかり。
…僕が悪いんだ。2人の話を聞いたのも、そもそも教室からでたのも。
全部、全部………
そう思ったら、そこにはもう居られなくて、走って寮に戻った。
「肇……怒ってた………」
あぁ、嫌われちゃったかな……
きっとそうだ。肇は律儀だし、約束は絶対守る。
だから、約束を守らない人だとかは嫌いだ。
きっと…僕だけが肇のことを好きなんだ。
僕だけが好きで、付き合ってるのに一方通行な僕の片思い。
だって肇に好きなんて言われたことないし、手も繋いだことがない。抱きしめられること、キスはもちろん、エッチもしたことない。
そりゃ肇だってきっと、そうゆうことは女の子としたいだろうし…
抱きしめてほしいだとか、キスしてほしいって言うのは、完全に僕のわがままだ。
分かってる………
だけど………
「好き、なんだもん……仕方ないじゃん………」
肇は僕のことを嫌いでも、僕は肇が好き。
だから、どうしたって、その先を望んじゃうんだよ……
ベットの上に1人うずくまる。
こんな風に、なりたかったわけじゃないのに………
そう思うと、不思議と涙が一粒、また一粒と零れてくる。
僕はうずくまったまま声を殺しながら泣いた。
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