アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
32
-
「んー」
うるせー、って感じの声。口は離してくんない。いやいや、マジかよ、この人。どういう心境?
「っ……………そんなことさせらんないって……」
「………」
ズルズル、じゅぶじゅぶ、わざと派手に音を立ててくる權さんがうらめしい。吸うなよ。そんな、あ、…………うあ、やば。
わりと、マジで。
「なー、……なんすか、これ。ほんと、もうイキそうなんだけど………っ」
最初から我慢してれば、まだ保てた。今はもう無理。自分ではどうにも出来ない。あーもう。なんなんだよ。バカ。知らねーかんな。
「あー、もう出る……ごめん、出す、っ……」
夢中で吐き出した。あー…………………………なんか、色々、吹っ飛ぶ。気持ちいい。
口の中に出しちゃったよ。あーあ。自業自得だかんな。つーか最後まで舐めとってくれるとか。サービスいいな。どこの風俗嬢だよ。
「…………ティッシュあります?」
「んー………」
この人が吐く前に、と思った矢先。
ごっくん、て。
え? え? え?
え、今、飲んだ?
「………ちょお待って。ダッシュボードん中だから」
「あ、や、俺取ります」
「……あ、宜しくー」
どちらも濡れてる手をヒラヒラさせて、權さんは言う。喋ってる。って、え? 飲んだ?
前列の座席の間に身体を滑らして、ギリギリ手は届く。
後処理。
を、して。
「…………」
なんだろう、この負けた悔しさみたいな。
喉に引っかかるのか、小さく咳き込んでるので、飲み物も取ってやる。
「ん"ん……ありがと」
飲んでる。ていうか、やっぱ飲んだよな、この人。飲んでるし。うん。喋ったし。うん。
「……………はー、スッキリした」
それはある意味こっちのセリフですけど。
「………なんでこんなことしたんすか」
場合によっちゃ怒りますよ、と付け加えて、視線を反らさない。だって、酷い。勘のいい奴なら、俺がもうあんたを好きってこと、わかってるはずだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 196