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後ろでワッと歓声があがって、二人とも振りかえる。拍手。道の真ん中で、ひざまづく男と泣いてる女がいた。抱きしめあう二人。プロポーズは、どうやら成功したらしい。
「すげー………」
本当にやる人いるんだ。日本でも。
權さんは茶化すかと思いきや、いいなあと呟いた。
「え、ああいうの?」
「結婚したい……」
OLかよ。
「…………行動しろよ」
「めんどい。………」
「…………つか、本当に結婚したいの?」
「え、したいよ。めんどいもん色々」
「なにが」
「家のこととか。……周りもうるさいし」
「…………それだけ?」
「他にある?」
權さんは不思議そうにこちらを見た。
「いや、あるだろ。……家のことって。あんた。それ家政婦でいいじゃん」
「ああ。…………」
「もうちょっと相手を尊重するとかさあ」
「…………じゃあ家政婦と結婚する」
「なにそのシンデレラストーリー」
「うん」
うん、じゃねーよ。いや、この人のスペックはなにげに王子様か。
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