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~空夜side~
「よかったの……?お家にお邪魔しちゃって……」
「うん、平気。」
4人で夕方まで遊んで解散した後、空夜は京を連れて帰宅した。
恋には先に連絡済みだ。
「俺の部屋でもいい?」
「いいけど、陸玖くんいないの?」
「うん、今日デート中。」
1度リビングに顔を出して恋に挨拶してから上にあがった。
「妹って2人だったっけ……?」
「あ、あの子はお兄の知り合い。」
「そうなんだ。」
リビングでよるが恋とクッキー作りをしていた。
瑠梨が型抜きで遊んでいたし昂もいたので、昼食後から皆で作っていたのだろう。
「あれ。」
「く、空夜?!」
部屋のドアを開けて、空夜は少し驚いた。
「陸玖、帰ってたの?……って、篠田くんもいたのか。」
初デートで家に呼ぶとは、陸玖にしては思い切ったことをている。
「外でやることなくなって……でももう少し話したくて、だから家連れてきた。」
「あっ、空夜。ごめんごめん、言い忘れてたけど陸玖帰って……あれ、遅かった?」
部屋に入らずに話していると、恋が階段からひょっこり顔を出した。
「お兄いるの?」
「書斎で仕事してるよ。空き部屋使えば?この前掃除したばっかりだからいいよ。」
「ほんと?じゃあそっち使おうかな。陸玖、邪魔してごめんね。」
ニマニマ笑いながらそう言うと、陸玖は頬を赤くした。
「京くんごめんね、こっち。」
「大丈夫!」
扉を閉めて、空き部屋の方に行く。
すぐに恋がお茶を持ってきてくれた。
「それで、話だけど……どうしよ、何から聞こうかな。」
早速だが、空夜は本題に入った。
あまり長い時間話していると、バイト帰りの昴流と駅や道端で遭遇する可能性がある。
(今日がバイトかは知らないけども。)
「とりあえず、いつ頃から仲良くなったの?」
「昴流くんと?」
「うん。」
「昴流くんとは、お父さんの誕生日プレゼントの相談してからかな……」
「誕生日プレゼント?」
「うん。先月末、お父さんの誕生日があって、お父さんに革靴をプレゼントしたかったんだ。それで、靴屋で働いてるって聞いてたから、昴流くんにどんなのがいいかとか、値段のこととか相談したんだ。」
「なるほどね。それで昴流に教えてもらって買い物した感じか。」
「お店に来ていいよって言ってくれたから、一緒に選んでもらったんだ。」
「へぇー!その話してたのって、夏休み前とかから?」
「あ、うん。最初に相談したのは7月の初めくらいだから……そういえば、その時LINEしてから今まで、ずっと続いてるよ。」
(は?!昴流が?!彼女にメッセージ返さなさすぎて振られたことがあるあの昴流が???)
昴流は基本的にLINEを返さない。
よっぽど仲のいい友達か、幼馴染たちとのグループではそれなりな話すし返事も来るが、そこまで量が多いわけでもない。
「そうなんだ……それで?」
「靴を買ってプレゼントしたらお父さんすごく喜んでくれたから、お礼のLINEをしたんだけど、昴流くんその時風邪ひいてたみたいで……」
(先月で風邪っていったら、あの時期か。)
昴流がやっと両親と仲直りできた時だ。
「少し文章の様子が変だったから聞いたら風邪だって言うから心配で……治ったって聞いたあと、1回電話したんだ。」
「電話?!昴流がOKしたの?」
「えっ、うん。なにか変なの……?」
「昴流、基本的に人と連絡取るのめんどくさがるから……」
「そうなの?」
「うん。しかも病み上がりでOK出したの珍しいなと思って。」
「結構普通に話してくれたけど……」
(昴流も京くんのこと、結構気に入ってるのかな。)
友人としてかもしれないが、かなり好感度は高めだ。
「電話した時、結構仲良くなれた感じ?」
「うん。音楽の趣味があって……それで話が弾んで、今度コンサートとかライブに行こうって話に。」
「なるほど、じゃあそういう話でLINEも続いてるんだ。」
「うん。それでやり取りが増えて、昴流くんがどんな人なのかだんだんわかってきて……そしたら昴流くんのことをよく考えるようになって……新曲聞いたら、昴流くんも聞いたかなとか、テレビで好きなメロディ流れると昴流くんに話したくなったりして……」
「それを鳥谷さんに話したら、好きなんじゃないかって言われたのか。」
「そうだね。まあ、鳥谷さんと昴流くんの話になったのはたまたまだったんだけど……その時鳥谷さんが、昴流くんのことを本気で好きだって言ってて、だから、俺ももし好きなら、お互い恨みっこなしでって話になったんだ。」
「とりあえず話は繋がったわ。」
「正直、これが恋愛感情なのかはわかんないんだけど……でも、確かに今までの友達よりはずっと気になってるし、考えてることは多いと思う。」
「そっかぁ……」
恋愛感情だ、と言い切るにはまだ早いが、確かに好意の1歩目にいるのかもしれない。
京は確実に昴流を意識しているし、少なくとも友人としては大好きだろう。
(今後次第ってとこかなぁ。)
もう少し様子を見て、京が決断していけばいいと空夜は思った。
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