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~空夜side~
「昴流かっこよかったなぁ。」
「だね。」
学年全員リレーを終え、クラスの待機所に戻ってきた。
空夜のミスを綺麗にカバーした上に、顔がいいのだから走っていても様になる。
昨年は手を抜いていた気がするので、これでまたモテるようになるのだろうなと空夜は思った。
「どうでした?初めて見たガチの運動してる様子。」
にやにやしてしまうのを堪えようともせず、京にそう聞く。
「うん、かっこよかったよ。」
「それだけ?」
「なんていうか、正直空夜くんが心配でさ。」
「えー!!なんかごめーん。」
「いやいや!あと、そのあとの村田くんたちのときが、メンバーすごすぎて、見てるだけなのに緊張しちゃって。」
「あー、それはわかる。リレー選抜メンバーばっかりだったよね。ていうか俊哉くん以外みんなそう?」
「そうだね。」
「それで1位になれたのすごいな。」
「ね!ときめいちゃった?」
「え?!まあ、かっこよかったかな。」
「ふふ。次はまた全員競技のときに集合だよね。」
「うんうん。」
「空夜、京。」
俊哉から呼ばれて振り返ると、イツメンがそろっていた。
「なんか写真撮るって。」
グラウンドの端のほうで、サッカー部の宏樹たちの後輩だという子が写真を撮ってくれた。
「空夜、あのさ……」
昴流や宏樹が仕事に戻っていく中、俊哉が近くに来た。
「2人でも、撮りたいんだけど。」
「うん、いいよ。」
「ふふ、じゃあ俺が撮ろうか?」
京がそう言って俊哉からスマホを受け取る。
「あとで送って?」
「おう。あー、京はいいのか?昴流と撮らなくて。」
「え?!いっ、いいよ!昴流くん忙しそうだし。」
「いや、撮れるだろ。さっき後輩たちが、会長と一緒に撮りたいですって言いに行ってたし。あとは、宏樹とかもそっちいるし、みんなと撮ってる風で話しかければ、昴流だって断らないと思う。」
「俊哉くんの言うとおりだね。そもそも京くんから頼まれたら断らないと思うけど。」
「なんならイツメンなら断らないって可能性ないか?」
「あるね。俊哉くんがいってもいいよっていう気がする。」
「そうと決まれば行こう。」
「えっ、え?!」
俊哉と空也のごり押しで、生徒会の待機所に京を連れていく。
「空夜?どしたん。」
途中で先に新と合流した。
「うん?片思いの応援?」
「は?」
「気にしないで。ところで、生徒会モテモテだね。」
昴流も新も、そのほかの役員男女関係なく、たくさんの人から声をかけられている。
「あー。だるいんだけど。」
「恋人いることにしちゃえばいいのに。」
「それしても結局話しかけられるからな。」
「陸玖くらい有名にしちゃえば?」
「あれはアホ。」
新はすっぱり言い切った。
しかし空夜も、それを否定できるほどはかばえない。
「あれ、霧谷と昴流写真撮ってる?」
「え、ほんと?」
新と話している間に、京と俊哉で話がついていたようだ。
「なんか最近、昴流と霧谷仲いいよな。ていうか昴流のお気に入り感ある。」
「え、そうなの?」
同じクラスの空夜がそう感じるのはともかく、新までそう感じているのは意外だった。
「うん。よく話に出てくる。生徒会室での事務作業中とか?京がー、京とー、って。あれ、京って霧谷だよな?」
「うん、合ってる。」
「昴流が幼馴染以外の名前出すの珍しいな、って思ってたら、ずっとそいつの話ばっかするから、マジで好きなんかと思った。」
「聞いたの?」
「うん。そしたらそういうんではないって言ってたけど。あれで?距離近いし、昴流から近づいてるし、あんな笑い方するやつだっけ?俺の記憶が歪んでいる?」
「ちょっ、笑わせないで。」
「いやでもまじで。あれを恋と呼ばずして……?まあでも、あいつ本命童貞だしな。」
昴流は彼女はいたし、そういったことももちろん経験があるが、昴流が好きになった子は一人もいないのだ。
「そうだね……」
「恋愛スキルも小学生だろうし。」
「新からみたら全員小学生なんじゃ……?」
「んなわけあるか。」
「笹倉先輩、写真撮ってもらえないですか?」
後ろから話しかけてきた後輩の女の子。
「じゃあ、俺撮ろうか?」
「あ、お願いします……!」
そういうこと言うなよ、というような顔をされたが、恋人はいないし、いることにするわけでもないので、写真くらいならいいだろう。
写真を撮ってあげると、女の子は嬉しそうに友達のところに行った。
「はー、この辺いると無限ループしそうだから俺そろそろ戻るわ。」
「うん、がんばって。」
新を見送ると、京たちが戻ってきたので3人でクラス待機場所に戻った。
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