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心の叫び
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〔 雪 side 〕
「 出張で三日ぐらい北海道に行かなきゃならなくなった 。 」
いつものイチャイチャタイムを終えて 、 二人で夜ご飯を食べている時だった 。
渋い顔をして申し訳なさそうにそう言った雅さんに 、 思わず箸を落としてしまった 。
だってそれはつまり 、 三日の間は家に帰って来ないってことでしょ?そんなの耐えられない 。
「 … 雪 、 大丈夫か? 」
あまりの衝撃に固まってしまった僕の頭を 、 雅さんは優しく撫でる 。 その手つきに安心して 、 小さく頷いた 。
大丈夫なわけがない 。
朝から夜まで居ないのは毎日だから良いけど 、 丸三日も家に帰ってこないなら話は違う 。
寂しさと不安でどうにかなりそう 。
「 三日で 、 帰って来ますか? 」
「 早く終われば二日で帰ってくるよ 。 それまで 、 一人で待ってられる? 」
「 …… 頑張ります 。 」
ほんとは行かないでって子供みたいに我儘言いたいけど 、 雅さんは仕事で行くんだ 。
きっと行きたくて行くわけじゃないだろうし 、 僕だって大人にならなきゃ 。
雅さんの出張は明日からで 、 ご飯を食べ終えると直ぐに準備に取り掛かった 。
大きなキャリーケースに洋服やタオル 、 歯ブラシなど必要最低限の物を詰め込んだ 。
雅さんは何をしていいか分からない様で 、 準備をしたのは僕 。 詰め込む時に 、 無事で帰って来れるようにと念を込めながら 。
「 これで大丈夫だと思います 。 」
「 ありがと 、 雪 。 」
荷物を詰め込んだキャリーケースは玄関先に置いて 、 最終確認をする 。
それが終われば明日からの三日間 、 会えない時間を埋めるように雅さんとイチャイチャした 。
「 俺が居なくてもちゃんと飯食えよ? 」
「 大丈夫ですよ 、 雅さんみたいに食べるのが面倒だって感じませんし 。 」
「 それもそうか 。 」
「 雅さんこそ 、 ちゃんと食べて寝てくださいね 。 」
「 雪が作った飯じゃないと食えたもんじゃないよ 。 」
そんな事をサラッと言えちゃうから 、 離れ難くなるのに 。 雅さんはほんとに意地悪だ 。
でもきっと 、 考えてることはお互いに一緒 。
寂しい 、 不安 、 離れたくない 。
「 … 雅さん 、 ちゃんと 、 帰って来てくださいね? 」
弱音は吐かないって自分の中で決めてたのに 。
雅さんを信じるって 、 決めたのに 。
弱くなる自分が嫌いだ 。
「 雪 、 三日だ 。 三日しか離れない 。 」
「 …… うん 。 」
「 一生の別れじゃない 、 直ぐに会えるよ 。 」
「 ……… うん 。 」
三日も離れるのに 、 どうして雅さんは平気なんだろう 。
不安が積もっていく 。
飽きたんじゃないかって 、 怖い 。
その日は初めて雅さんと別の場所で眠った 。
朝早くに出発するから 、 僕に負担を掛けたくないらしい 。
いつもより遠い心の距離 。
雅さん 、 ほんとに僕のこと好き?
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