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prrrr prrrr
『もしもし』
聞きなれた声が聞こえる
「なに…?」
『ごめん、遅い時間に』
そう言われて時計を見ると深夜一時だ
「いいよ、なんかあった?」
『寝れない』
「明日学校だろ。早く寝ろ。」
『明日は2限からだから』
目が覚めてきた
「何が言いたいの?」と聞くと相手は黙ってしまった。
「怒ってるんじゃないから。明日学校行くの不安?」
しばらくして返事が返ってきた
『明日休んでもいいかな』
いつになく不安そうな声だった
俺は白井浩太(しらいこうた)28歳。
総合商社で働いている。
深夜に恋人が今にも泣き出しそうな声で「眠れない。明日学校行きたくない。」と電話してきたものだからつい「明日の朝部屋に行くから」と言ってしまった。
恋人の坂本蓮(さかもとれん)は21歳で大学4年。
高校生の時に不登校になり、不眠症とパニック障害と診断されてからは、睡眠薬と不安止めの薬を常備している。
時刻は朝の9時。
チャイムを押すとすぐに扉が開いた。
「おはよう。寝られた?」
「電話の後すぐに寝た」
蓮がそう言いながら夜中に飲んだであろう薬の残骸を隠したのを見逃すことは無かった
蓮が貰っている薬は二種類のはずだからどっちも飲んだのか
昨日電話してきたのは軽いパニック発作だったようで、今はだいぶ落ち着いている
送って行けばそのまま講義を受けられるだろう
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