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初夜(笑
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少し離れた浴室からシャワーの流れる音が聞こえる。軽い音をBGMにしながら、俺は一生懸命火照った顔の熱を追い払っていた。
しばらくして、タオルを肩にかけたラフな格好の蛍汰がリビングに戻ってきた。
「次、入っておいで」
「うん」
毛先の濡れた蛍汰は、水も滴るいい男って感じだ。
何となく目の合わせづらくなった俺はそそくさと脱衣所に向かった。
「...なんだこれ」
実家の風呂場とは全部違う造り。
どこをどうすればいいのか全然分からない。
「え、えーと..」
何となく蛍汰に助けを求める気にはなれなくて、四苦八苦しながらも俺は無事、風呂場を出た。
下はジャージに、上はTシャツ。
4月にしては少し薄着かもしれないが暑がりの俺には丁度いい。
ガシガシとタオルで頭を拭きながら、蛍汰のいるリビングへと足を向ける。
...ちなみに俺は、髪は自然乾燥派だ。
「おかえり、長かったね」
「...おう」
テレビを見ながら寛いでいた蛍汰に、ポンポンと自分の隣を勧められるが、俺は少し離れた場所に腰を下ろした。
警戒しているとバレバレなのか、蛍汰はおかしそうにクスクスと笑った。
「優真、お湯浸かりすぎじゃない?のぼせてない?」
「あ?」
顔が真っ赤だと心配する蛍汰。
俺は、数回手のひらで顔を触ってから、大丈夫だと返す。
「俺、火照りやすいんだよ。お湯にはそんな浸かってないし、これいつものこと」
「そうなんだ。ゆでダコみたいでかわいい」
「は!?可愛くねぇよ!」
バカにするな!と近くにあったクッションを思い切り投げるが、蛍汰はそれを簡単にキャッチしてしまう。
「..っ俺もう寝る!」
思っていたのと違う結果に、俺は拗ねたように勢いよく立ち上がり、リビングを後にした。
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