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男の本性
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「で?ほんと、何があったんだよ」
「何があったと思う?」
「...分かんねぇから聞いてんだろ、ハゲ」
見るからにどんどん機嫌を急降下させていく八重にニコリと微笑みかける。
コテリとわざとらしく小首を傾げてみれば、八重はキョトンと動きを止めた。
「ふふっ、ナイショ」
「......」
ブチブチと、何かが切れる音が聞こえた。
「...相変わらず性格わりぃなおい」
そう言って笑う彼の口元は見事に引きつっている。
「今更気にしちゃだめでしょ」
「学校のやつらは、何でこんな奴にあんな騒げんだよ」
「さぁ?それは是非とも俺も知りたい」
別に人に好かれようとも好かれたいとも思ったことはないし、彼女たちの前ですごくいい人を演じたわけでもない。
自分の容姿というものが俺はあまり好きじゃないけど、周りにどう見られているかは最低限理解してるつもりだ。
だからこそ目立った行動はしないように気をつけてきた。
それなのに俺は今、王子様なんて呼ばれて顔も名前も知らない子たちに騒がれている。
まったく、笑えない話だ。
「優真....」
「んぁ?なんか言ったか?」
「ううん、何でもないよ」
ポロリと零れてしまった無意識の言葉を、目の前で眠そうに欠伸をする男に聞かれていなかったことにホッと胸を撫で下ろしながら、つい胡散臭い笑みを向けてしまう。
その瞬間、聞こえる黄色い声に、彼はまた重いため息をついたのだった。
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