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カレシ-1
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週明け。
根塚と四十万に予定を合わせてもらい、先日の謝罪も兼ねて、一織との関係を2人に伝えた。
反応を伺いながら、言葉を選びながら、慎重に話した。
引かれるんじゃないか、受け入れられないんじゃないか。
でも2人に限ってそんなことはないだろう。...そうであってほしい。
不安は尽きなかったが、これは俺の義務だ。話さなければならない。
根塚と四十万は、口を挟むことなく俺の話を聞いてくれた。
多分物凄く緊張していた。一通り話終えた頃には、喉がカラカラに乾いていた。
「話してくれてありがとう」
だが、開口一番根塚がくれたその一言で、不思議なくらいに心は軽くなった。
俺の幸せを願った、温かみ溢れる言葉をたくさんくれた。
感謝してもしきれなくて、ただただ目頭が熱くなった。
「...桐谷さん」
去り際に、四十万に呼び止められた。
振り向くと、四十万は言った。
「幸せになってください」
今までに見たことの無いような真剣な目をしていた。普段子犬のように人懐こい四十万だが、こんな顔もするんだと少し驚いた。ちゃんと応えなければいけないと思わされた。
俺は四十万の方にしっかり向き直り、頷いた。
「うん、なるよ。ありがとうな」
真剣な表情を緩めて浮かべられた四十万笑顔が印象的で、その後もずっと、脳裏に焼き付いて離れなかった。
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