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部屋では根腐ったような畳に、敷きっぱなしの布団が広がっていた。もつれ合い、綿の減ったその上へ転がる。
シャツを脱ぎもせず、彰は譲治の身体へ、文字通りむしゃぶりついた。汗の浮いた首筋を舌で舐め、胸元に歯を立てる。付けられた歯形にくびり出され、木苺色に染まった乳首を、獣の子が乳を求めるように吸い立てられる。くらくらと揺れる頭で、譲治は笑った。
「まるでチビみたいだ」
しぶとく口を離さないまま、上目遣いを作る彰の頭を撫でてやれば、手が温かい感触を思い出す。
「昔飼ってたキジトラの猫。子猫の時に貰ってきて、僕が育てたんだ。母猫が恋しかったのか、ちっちゃい前足で僕の腕を踏んで、一生懸命吸い付いてきた」
「そうなんですか」
さして関心の無さそうな口調で、彰は腹筋に唇を落とし、臍に舌を差し込む。一層声を弾ませ、譲治は裸足の爪先で、真上にあるデニムの股間部分を軽く撫でた。部屋に入る前から、そこは既に兆している。
「5年前に死んじゃってね。両親は庭に埋めたんだって。僕があれだけ可愛がってたのを知ってたのに、連絡も寄越さなかった。男と寝るような不肖の息子を、未だに許していないから」
顔を背ければ、固い枕へ、ここにはいない男の臭いを嗅ぎ取る。頬に布を擦り付けるようにして肩を揺する譲治が、不自然なほどの躁状態であることを、聡い少年はすぐに見抜いたのだろう。伸び上がるようにして相手をまじまじ見上げる時には、やはりあの熱視線。至って真面目腐り、どこまでも真摯な顔付きで、彰は言った。
「あなた、とても可哀相な人ですね」
その癖、自らの言葉へ興奮したかのように、ジーンズの中身はぴくりと蠢く。我慢できず、譲治は手を伸ばした。
立派に勃起するペニスは既にぬるりとした透明な粘液にまみれ、肉色の先端がてらついて見えるほどだった。譲治が自らのものを取り出せば、すぐに意図を察して腰を押しつけてくる。
「っ……」
「ん、ぁ、あ、きもちいい……」
二本まとめて扱く譲治の手つきに、面白いほど素直な喘ぎが寄越される。括れ同士が擦れ、お互いの鬼頭が変形するような強い刺激を与えて遣れば、唾液は顎にまで垂れるほどだった。
口付けで拭うそれは酷く甘い。自らが不幸な子猫になったかの如く、執拗に噛んでは吸い、舐めては口角から啜っていれば、辿々しい声が訴える。
「僕も、寂しいって言うのが、どんなものかは、よくわかります」
「君の父さんも、心の底では、君のことが」
「今はあの人のことなんか……!」
重ねられた手は無茶苦茶な動きでペニスを擦り立てる。自らの快感を優先するその動きは、譲治にとって予測の付かないもので、呆気なく翻弄されてしまう。
「ね、僕のことを、好きだって言ってよ。あの人よりもずっと、僕のことが好きだって!」
「あ……ぅ、すき、あぁ、好きになっても、いいよ…」
短い喘ぎでは酸素の供給も出来ず、朦朧は深まる一方だった。手応えを得るたび誇らしさと歓喜に喉を震わせ、拙く寄せてくる彰の唇を、譲治は舌で割る。求められれば、嬉しそうにリードを譲り渡してくるのが可愛くて仕方なかった。
挿出を模す、ゆっくりとした腰の動きで、時折熱く粘ついたものにアナルを突かれる。年齢に相応しくない技巧と呼んで良いのか、偶然の産物か。何にせよ、このまま流されるのも悪くない。冗談抜きで湯当たりしてしまったのか、四肢の末端に力を込めるのも気怠くなってきた。
なのに邪魔者が、足音も高く部屋に押し入って来た時、譲治は嵐の到来を期待した。
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