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プロローグは謝罪会見!
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実際のところ、声優が謝罪会見を開くというのは業界初らしい。
当事者である俺・香月蓮と恋人の時野未来が、ホテルの宴会場に設えられた会見台へ歩いて行くと、カメラの音が夕立みたいに鳴った。
【国民的アニメのメインキャスト、深夜の公園でディープキス!】
明日には、週刊誌にそんな見出しの記事が載ることが決まっている。
しかも、俺たちは男同士。
事務所はどうにかこの危機を乗り越えようと、雑誌の発売前に急遽、謝罪会見の席を用意した。
(どうせなら、めちゃくちゃやってやるか)
会場に群がるカメラクルーを見下ろしていた俺の唇には、ほのかに笑みが刻まれる。
隣では、未来がうつむいていた。
「大丈夫だって」
小さな声で、恋人を励ます。
どうやったら声がマイクに乗らないかなんて、仕事柄よく知っていた。
「けど……」
「なんとかなるから」
「……うん」
さて、ここからはかりそめのショータイム。
全力で楽しんだ後は──全てをなかったことにしよう。
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