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俺は腐男子 side宇井原
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「宇井原ー」
遠くで、俺の名前を呼ぶ友人の声が聞こえる。
「おーい、宇井原」
それを無視して、読書に耽る俺。
それは、声の主である友人に思い切り後頭部を叩かれる数十秒前のことだった..。
「...いってぇな。思いきり叩くなや」
「無視するからだろーが!馬鹿原」
「うるせぇ阿呆見」
後頭部に一発食らった俺は、大人しく阿呆見、改め 里見の方を向く。
用があるなら早く済ませろ。
そう言おうと彼の顔に目をやり、俺は口を閉じた。
里見の目線は、俺が持っている手元の本に注がれており、その顔は酷く引きつっている。
「宇井原、お前またそんなの見てんのかよ」
「あ?別にいいだろうが」
里見の言う、そんなもの。
それは、男と男が乳繰り合い愛を囁く本。
いわゆるBLと呼ばれるものだ。
「そんなのの何処が面白いんだよ」
「男同士でヤりまくるところ」
迷うことなく即答で返した俺に、里見はげんなりといった表情を見せた。
そう、俺は世間一般でいう、腐男子なのである。
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