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円卓会議4
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「シェンジェアン王の仰る通りですわ。私たち四大国の王は、それ以外の皆様と比較すると魔法の微調整が得意ではありません。高威力の魔法こそ扱えますが、それも調整ができないとなれば、使用できる条件は大変厳しいものになるでしょう」
「儂など、極限魔法を使えば広範囲の地形を丸ごと変えてしまうからな。領土内では使いたくとも使えん」
そう言った橙の王が、腕を組んで唸る。そんな橙の王を見てから、青の王も息を吐いた。
「……遺憾ですが、私の水霊魔法も似たようなものです。国民ごと街を水没させる訳にはいきませんので」
貴方もそうでしょう、というように視線を向けられ、赤の王は頷いた。
「私の場合、まさにそれが原因で、結果的に手こずることになってしまった」
そこで、赤の王がちらりと空席に目をやる。
「真に目を向けるべきは、今回の襲撃を処理するのに、こちらは三国の力を使わざるを得なかった点だろう。念には念をと思い、黒の王にアマガヤキョウヤの護衛を依頼したが、それだけでは不十分だった可能性が大いにある。……評するならば、最悪になりかねない事態をかろうじて回避できたのかもしれない、ということになるだろうか」
歯切れの悪い物言いに、紫の王が訝しげな顔をする。
「かもって何?」
その問いに赤の王は、静かに金の王を見た。
年少者だからと黙っているのだろうが、これは金の国で起こったことだ。彼にも王として発言する権利があり義務があると、そう考えての行動である。
そんな赤の王の配慮に内心で感謝を述べつつ、金の王は紫の王へ顔を向けた。
「最悪の事態を回避できたのか、回避“させられた”のか、私たちには判断できない、ということです」
「帝国がわざと手を抜いて、勝たせてくれたってこと?」
敢えて婉曲的な言い回しをした金の王だったが、容赦なく確信を突いてきた彼女に、一瞬だが目をさまよわせた。だが、すぐに視線を定めた金の王は、しっかりと頷いて返す。
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