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最終章
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「────くそおっ・・けっきょくっ!こう・・なんの、かよっ!!」
悠叶は倒れたっきり起きる事はなく、いつかのようにタクシーで迅鵺のマンションに帰って来た迅鵺と悠叶は、前と同じように玄関で一緒になって倒れ込む。
意識のないデカイ図体はかなり重く、酔っ払っている迅鵺にとっては、前以上の重労働だ。
迅鵺は、ゼエゼエと大きく肩で息をしながら悪態吐く。
「もおおっ!ぶっ倒れる癖にカッコつけてんじゃねぇよっ!俺が大変なんだよっ!」
眠っている悠叶の顔をキッと睨むけれど、あどけない悠叶の寝顔に短いため息を吐いて、再び悠叶を支えてヨロヨロと歩くと、やっとの思いで寝室のベッドに悠叶を寝かせた。
「ほんっと、人の気も知らねぇでスヤスヤ寝やがって・・・」
自分のベッドの上に悠叶が居る・・・
たったそれだけの事でドキドキしてしまう迅鵺は、帰り際タクシーに乗り込む時の事を思い出していた。
『迅鵺、今日は残念だったな。でもSMグッズが当たって楽しみが増えただろ?酔っ払い相手に悪戯すんなよ?』
含みのあるニヤニヤ顔で声を掛けてくる響弥に、思わず迅鵺は声を荒げた。
『そ、そんなことする訳ないじゃないっすか!キス以外なんもしてくんねぇのにっ!』
言い終えて、ハッと気付くが言ってしまったものは、もう遅い。
ゆでダコ状態の真っ赤な顔につられて、響弥まで狼狽えてしまう始末。
『お、お前、恥ずかしいヤツだな・・そんな、抱いて欲しいだなんて大声で言うなよ。』
『ち、ちがっ・・抱いて欲しくなんかねぇっ!』
響弥相手に、ついタメ口になってしまう程に動揺しまくりの迅鵺。
思い出すだけでも、顔から火を吹きそうな程に恥ずかしくなって、自分の寝室で顔を真っ赤にさせる。
「あ、あんたのせいだかんなっ!」
迅鵺は、何も知らずに寝ている悠叶に八つ当たりをするように、ビンゴゲームで当たった手錠を左手首に掛けて、もう片方の輪っかはヘッドボードに繋げる。
アイマスクと首輪も付けると、迅鵺は眠っている悠叶を見詰めた。
「こうなったら、開き直ってやるっ・・」
そう言って、悠叶の唇に自分の唇を重ねるとリップ音を鳴らしながら、何度も何度もキスをした。
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