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クリスマスSS Uに黒白
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クリスマスSS ギフト(Uに黒白)
「十二月二十四日の夜は、お世話になっている出版社主催のクリスマスパーティーがあってね。そこに仕事に行くことになった。会場は、屋敷からかなり離れたところにあるから、当日は編集とホテルに宿泊することになるだろう。」
広々とした屋敷の一室。十二月二日金曜日。そう告げると、真白は何か言いたげに眉を顰めた。
(あ…、不機嫌そうな顔。)
氷見恭二は恋人の表情をそう先読みし、咄嗟に話題をすり替える。
「…ところで、二十四日はクリスマスイブだな。二十五日の朝には帰るから、プレゼントを用意しておきたいんだ。何がいい??」
「…。」
真白の眼光は鋭いままだ。氷見は言い募る。
「ほら、二人でよく見るテレビ番組。東北の方で、あ~…、なんて言ったっけ。雪景色が絶景の宿あったよな!!あそこ行ってみるか??」
「…。」
またしても睨みをきかされ、氷見はぽんぽんと意見を出す。
「あ、海外とかどうだ、船でほら!!…さ、寒いのが嫌なら、温かいところに行くとか、身体が温まる場所…。そうだ、温泉なんかどうだ??二人で旅行…。」
「・ ・ ・。」
不機嫌丸出しの真白に、氷見は必死に抵抗する。
「旅行はやっぱ大げさか??…デパートで好きなだけ買い物するか??映画見るとか、アイス食べたり…。デートするのがいいか??ああ、そういえば、この間、夜景が見えるレストランの話を聞いたぞ!!人気だそうだから、早めに予約しなきゃだが。…きっと、真白も気に入ると思う、んだ…。」
「・ ・ ・恭二さん。」
「…ハイ。」
真白は呆れた表情でこてんと首を傾げた。
「…本当に、僕が欲しいものがわからないんですか??」
「…ハイ。」
長い背丈を縮こませて、氷見はしゅんと肩を落とす。
真白は小さな溜息を一つしてから、年上の恋人に欲しいものを告げた。
「そのクリスマスパーティーとやらに僕も同席させて下さい。参加が可能なら、ですけど。お仕事の関係なので本来なら口を挟みたくありませんが、クリスマスの夜となれば話は別です。」
僕は、と真白はしっかりと欲しいものを口にした。
「氷見さんと一緒にいること以外、自分が強く望むものを知りません。」
「真白…っ」
年下の恋人に惚れ直す氷見だった。
〈ギフト END〉
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