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懐疑
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――すごく嬉しいよ、祥さん。ほんとに。冗談抜きで
ここでそんな事を言われるなんて予想していなくて、ちょっと驚いた。
失礼ながら、祥は他人のメンタルに関しては鈍そうだから。そういうギャップが周囲から好かれる一因なのだろう。
――でもさ…祥さん。祥さんも、村の人好きだよね
犬猿の仲である虎太朗も嫌いじゃない筈だ。言い争った後、言い過ぎたという顔をするのを侑は知っている。
――知ってるんだよ、俺。祥さんが、基本的に人を嫌いになれない人だってこと
身近な者なら余計だ。
だからこそ、彼が侑の身に起きた事を知ったら憤るし、悲しむ。
その上、加害者が村人だと知ってしまったら。
どう転んでも、祥にとって愉快な話にはならない。
――俺は、俺の事で誰かに悲しんで欲しくない。怒って欲しくない
自分に酔ってると言われても、自己満足でも構わない。
――俺が、一人でカタをつけるよ
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