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電話 1
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仕事が一段落した波留は、瀬戸組のアジトにいた
「波留、お疲れ様ー。俺も助かっちまったよー」
人懐っこい笑顔で波留の頭を撫でてくる光樹に自然と心が温かくなる
「皆の方が働いてるんだから、俺も頑張らなくちゃって思ってさ」
「波留は偉いな。…それをあの2人も見習ってほしい物だね」
真尋は多くの書類やら何やらを片付けながら波留を見て笑う
「でも、今日は仕事してますよ?キヨも猇も」
「今日は…な。波留が来てからかもな、きちんと仕事する様になったのって」
光樹を見ながら真尋は言うと、光樹もそれに頷く
「まー、総長も心を入れ替えたって事っすよね。」
にっこり笑顔の彼を見て真尋もふっと笑みを見せた
「波留、慣れない仕事で疲れたろ?今日はもう上がってもいいぞ。」
「え、でも…。」
「そろそろあいつらも帰ってくるから、一緒に帰ってやれ」
真尋は立ち上がって波留の頭を撫でてくると、言い聞かせる様に言ってくる
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
波留は目の前に立つ彼に礼をしようとすると、ポケットに入れてあったケータイが音を立てて鳴り出した
「っ‼︎…で、電話か。」
肩を飛び上がるほどビクつかせ、2人に断りを入れてからケータイの画面を開いた
“非通知設定”
画面にはそう記されており、首を傾げる
(…最近多いな。こういうの…)
少しだけ恐怖心があったが一向に鳴り止まない着信音に負けて、仕方なく電話に出た
「…はい、もしもし。」
すると電話越しで少しの間が空いてから、返事が返ってきた
「波留…?」
波留は思いもよらない相手からの電話でケータイを耳から遠ざけてしまう
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