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蒸し暑い夏の夕暮れ。
空に重く垂れた黒い雲と遠雷。
「やべ、びしょ濡れ。」
仕事からの帰り道、急に降りだした雨は激しくて、駅から家までの短い距離でも下着までずぶ濡れになった。
アパートの外階段を上がって
ドアの前で鍵を出そうとすると扉が開く。
「おかえり。」
フライング気味の出迎えをしてくれた律に笑顔を向けると、律も柔らかい表情で俺を見返す。
律が仕事休みの日は、いつもこんな出迎えをしてくれる。
俺が帰ってくるのを気にして
待っててくれてるんだっていうのが嬉しい。
「スーツ、ヤバいね。」
そう言いながら玄関に入ってすぐ
俺のジャケットとワイシャツを脱がしていく律。
上目遣いで俺を見る、猫みたいな目が
めちゃくちゃ好きで。
「シャワー浴びてきなよ。」
そう言った律にタオルを頭から被せられて、上半身裸のまま、風呂に向かう。
浴室の窓には雨粒が叩きつけてて、
まだ雨足が緩んでいないことを伝えてる。
ぬるめに温度設定したシャワーを浴びていると、遠くで鳴ってた雷が少しずつ近づいて。
ちょっと怖いなー、なんて思ってたら
浴室の電気が消えた。
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