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距離
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まさか、俺にそんな反撃を食らうとは思ってもいなかったんだろう。
見事なほどきれいに後ろにひっくり返ったアキラは、その驚いた表情のままで固まっていた。
「・・・俺は、お前がどこでなにしてるかは知らない。・・・知らないから、今までなんとか耐えてきたんだよッ。それなのにッ。なんで、家に連れ込んだりするんだよっっ」
大丈夫なフリをしていた。いつものように麻痺すれば、なんとも思わなくなる、そう思っていたが、こうやって言葉にしてしまえば、それが間違っていたと気付かされる。
アキラが他人を連れ込んだことは、俺にかなりのダメージを与えていたようだ。
「アキラが、離れるなっていうなら、ここにいるよ・・・でも、もう」
そこで、言葉を区切る。
「・・・もう、アキラとは寝ない。そういうことは、しない」
思っていたより、静かな気持ちで言えた。
「・・・なんで、そうなるんだよ」
尻餅をついた格好のまま、固まっていたアキラから、低い唸り声が聞こえてくる。
思わずビクっとする体を守るように、両腕で抱えながらアキラの動向を見つめる。
「他の奴とは、遊びだって言ってんだろうが!なんで、そうなるんだっ!お前は、オレを好きでいるだけでいいって言っただろ!」
言わされた、それは言い訳にしかならないだろう。それにこんな時のアキラに、何を言っても伝わらないのは、経験上嫌というほど思い知っていた。
やっぱり、伝わらない。
この心の距離は埋めようがないのか。
さっきより荒々しくベッドに押し倒される。
こんなガリガリに痩せた姿を見られたくないという気持ちと、こんな姿を見たら、アキラも俺を抱こうなんて考えなくなるのではという期待が入り交じる。
結局、抵抗らしき抵抗もせず、アキラに体を委ねてしまう。そんな自分に嫌悪と諦めを抱きながら。
俺を裸にした瞬間、アキラの手が止まった気がしたが、結局止まることはなく、俺の体を開いていく。
「ぅあッ、ああっ・・・」
アキラの指先は、迷うことなく俺の快感を引き出すポイントを暴いていく。
半年の空白の時間があっても、俺の体はアキラを忘れることなく、むしろブランクを埋めるかのように、快楽を貪っていく。
「イイ声出るじゃねえかよ」
嘲るアキラの声にまで、体が震える。
好きな人と抱き合うことが、こんなに心を虚しくさせるものなのだろうか。
体はどんどん熱くなっていくが、心は反対に凍えていく。
「・・・もっと、声出せよ」
顎を掴まれ、閉じようとしていた唇を開かされる。
堪えようのない声が飛び出していく。
「んあっ・・・、やぁっ、ああっ」
どろどろに解され、溶かされた後孔に、アキラのモノを受け入れた、その時点で俺は、何も考えない、ただの“物”になった。
「ひゃあッ・・イイっ、あっ・・・あっ、ああんッ、やっ、もっとぉッ・・・はぁッんぅッ」
何を口走っているのかすらわからず、ただ快楽に飲み込まれるままになる。
───こんなに、心が悲鳴を上げているのに、最後まで涙は一滴も出なかった
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