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◯月×日『怖い』
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冷静になれない自分がいる。
一人で何度考えても答えが出ない。
「柚野ちゃん、ワッフルいる?買ったはいいけど僕お腹いっぱいでさぁ」
生徒の通りが少ない中庭で弁当をつついていると、山梨先輩がぼくの向かい側に腰を下ろして、ワッフルを差し出してくる。
「…ありがとうございます」
ワッフルを受け取って、少し怖い気持ちで山梨先輩の顔を見ると、いつものあったかい笑顔が見えた。
明るくて、優しい先輩。
この人が、篤也さんの恋人?
信じたくない。
だって、篤也さんは僕の恋人だ。
「…先輩、…あの…」
「ん?」
ダメだ、聞けない。
「これ、何味ですか…?」
「青りんご味だよ。僕のイチオシ」
怖い。
先輩の口から真実を聞いたら、立ち直れない気がする。
先輩が何か話してたけど、全然頭に入ってこなかった。
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