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浮気疑惑もお互い晴れて、遂に神事の日を迎えた。巫女都は自分への誓いを守り、10日の禁欲を破らずこの日まできている。
前日から神事に向けて邪心を取り除く為に学校から戻ると、正太郎には会わず、身を清めて備えていた。
当日、いつもより早く起きて巫女装束に着替えると、今日の神事の歴史資料に目を通し参列者に何を聞かれても答えられる様に再度勉強をし直す。
巫女の仕事は、神職者の補佐だけで無く、こういった神事の歴史や経緯、意味などを参加者に説明する事も多く、何度も行っている神事でも巫女都はその復習を怠らない。
勉強を終えると朝の参拝をし、いつも通り境内の掃除をしていた。
すると正太郎が石段を上がりこちらに来るのが見えて声を掛けた。
「 正ちゃんおはよ。休みなのにこんな朝早くどうしたの?」
「 あー、なんかおばちゃんが呼んでるってババァに叩き起こされた...。」
「ママに?...何だろう。」
正ちゃんはTシャツにスウェットで、頭も寝癖がついてて、如何にも今起きました。と言わんばかり。それを見て僕はくすくす笑い、背伸びをしながら正ちゃんの髪に触れて手ぐしで髪を直してく。
「 正ちゃん頭ボサボサ。ちょっと屈んで?」
「 ちょっとそこっ! 私を待たせて境内でイチャイチャしない!! 正太郎ダッシュよダッシュ!!」
ママの怒声が境内に響いて、2人でそっちに目を向けたらママが母屋の前で仁王立ちしていた。正ちゃんはそれを見てうんざりした顔をしてる。
「 何様、神様、琴子様ってか...。...おっかねぇから行くわ。」
正太郎はそう言い巫女都の頭をポンポン撫でると母屋へチンタラ歩いていていく。
正太郎が母屋に向かい、巫女都はまた一人で掃除を始め、暫くすると玉砂利を踏み歩くジャリッという音でそちらを向いて固まった。
そこには衣冠という神主が着る神事服に身を包んだ正太郎が居いて、神主は袴の色等でその冠位が別れて居り、正太郎は無文浅葱という四等級の袴に紺袍を纏っていたので巫女都ははて?と思う。
巫女都の父は冠位が二等級上なので八藤丸文紫緯共という紫色に紋が施されている袴を履いているし、四等級の無文浅葱なら自分の為に誂えた物かとも思ったが、巫女都と正太郎とでは身長が20㎝程違うので、正太郎の履いている袴の丈の余りのピッタリサイズに巫女都は首を捻るばかりだ。
「...正ちゃんなんで衣冠なんか着てるの?しかも袴の丈、ピッタリ。」
「 あー、おばちゃんが今日の神事に巫女のボディーガードとして参加しろってさ。んでこれは、...俺用に誂えてあったらしい。」
「......なんか、ごめんね、」
神職者で無い正太郎に衣冠を着せて参加させるのはどうなのかと考えたが、自分も女性では無いのに巫女として神事に参列するのだから同じか。と巫女都はもう琴子に何も言うまいと思った。
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