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「巫女ー、さっきのは不可抗力だって...。頼むから顔見せてくれよ...。」
巫女の登場に俺は慌ててパンツを上げ、看護師も体温計を受け取るとそそくさと出てったけど、
巫女はすっかり怒っちまって布団に潜り込んだまま出てこない。
「.....知らない。馬鹿。」
「巫女ー。あー足が痛む!! 顔見ねぇと治んねぇかも...」
「ナースコール鳴らせば。さっきの看護師さんがあっちこっち診てくれるよ。」
チッ、この手も駄目か。...どーすっかなぁ。
俺がこの八方塞がりな状況に困り果てていると、トントンとノックの音が聞こえて、この状況であの看護師が入って来たら益々巫女都の機嫌が悪くなると焦ってたら、白衣の男が入って来てホッとしたが、その顔を見た瞬間、その見覚えのある顔に俺は固まった。
......こいつ、あの時の、
あっちも俺を見てあっと言う顔をしたが、次の瞬間には柔和な笑みを見せながら話し掛けてきた。
「やぁ、また会ったね。回診に来たんだけどいいかな?」
「あんた医者だったんだ。」
俺は敵意剥き出しに医者を睨む。見覚えのあるこの医者は、前に神社で巫女の神楽舞を見て感動したからと、帯封付きの札束を賽銭箱に入れても良いか聞いていたあいつだった。
「 自己紹介していなかったね。藤堂 【トウドウ】です。ここで外科医をしてるんだ。君の手術は別の先生がやったけど、この部屋の担当医は私になるから宜しく。」
「あっそ。そりゃどうも」
俺が不遜な態度で言うも、藤堂は笑みを崩さず巫女のベッドにいって声を掛けた。
「 巫女都君、どうしたかな、痛むのかな?」
藤堂の呼び掛けにおずおずと布団から顔を出した巫女も、その顔を見てハッとしてる。やっぱ覚えてたかと俺は二人を凝視する。
「 あ、あの時の...。その節は沢山寄付して戴いて有難うございました。」
「いや、また会えて嬉しいよ。君が運ばれて来たときは本当に驚いたよ。...てっきり女の子かと思ってたけど、男の子だったんだね。でも、オペの必要な怪我じゃなくて良かった。」
藤堂が心配する様に、巫女の右腕を擦ってて、それを見た俺は少なからず焦燥感を持つ。巫女を男だと知って尚、熱い眼差しで見つめる藤堂に危機感さえ感じて俺は口を開く。
「つか、エロい触り方してないでとっとと診察しろ。んだこの病院は、セクハラの温床か?」
「正ちゃん失礼だから!....すみません。」
「いや、構わないよ。じゃあ、大人しく彼の言うことを聞こうかな。ちょっと診せてね。」
藤堂は巫女の腕と俺の足をそれぞれ診察すると「問題無さそうかな」と言ったけど、巫女ばっか見てやがる。
「二人共、何かあったら遠慮無く呼んでね。特に巫女都君は脳震盪を起こしたんだから、気持ちが悪くなったら直ぐに私を呼ぶんだよ。」
そう言って出てく藤堂の背に向かって、「呼ばねぇよ、キザ野郎」と悪態をついたら、巫女が怒り出した。
「...もう、藤堂先生に八つ当たりするのやめてっ!」
「んだよ、肩入れして。なに巫女、ああいうのが好きなの?」
ジロッと睨む様に見てくる正太郎に、もう知らないっ!と巫女都は再度布団を被った。
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