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戸惑い
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校内から出て2人で帰ろうとしたさなか遠くからクラスの者が棗達に話しかけてくる
「なつめー!!」
声のする方を向くと先程の女子達がこちらに向かって走ってくるのが見えた
棗が咄嗟に馨を後ろに隠れさせるがそれを馨が首を横に振り拒む
「大丈夫なのか…?」
馨は頷くと棗の横に戻ると女子達が2人の前で止まる
「ねね、2人とも今もう帰るとこ?」
「まぁ、そうだけど…」
「夜さみんなで花火やるんだけど一緒に来ない?先生が校庭でならやっていいって言うから暗くなったらやるんだけど」
「俺は構わないけど…」
棗がチラリと馨を見ると彼女達が馨に話しだす
「白雪もどう?無理にとは言わないし体調まだ悪かったら棗と帰っても大丈夫だよ」
「一緒にやろ〜」
「仲良くなった記念記念!」
笑顔でそう話す彼女に馨も照れながら精一杯答える
「……やりたい…かも」
それを聞いた棗は顔には出さずに驚く
自分の知らない間に馨が他の生徒と話せる様になっていることに
「お!マジか!!」
「じゃあ他の奴らに言ってくるね~」
「また後でね~!!」
それだけ言うと彼女達は手を振り駆け足で去っていく
2人だけになると棗は馨の両肩を抱き心配する
「あ、え?…だ、大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫だよ。棗と一緒だし」
さらっと嬉しいことを言ってくれる馨だが棗は他人との接触を毛嫌いしていた幼馴染がいとも簡単に受け答えができるまでになっているという現実が受け入れられない
苦い顔をする棗に何も知らない馨が首を傾げた
幼馴染がなんだか自分だけのものじゃ無くなっていく気がしたが棗は気持ちを切り替えて笑顔を作り馨に提案をする
「…よし!暗くなるまで時間あるしどっかで飯でも食べるか」
「うん」
馨の肩を叩くと棗はスマホで近くの飲食店を調べ始め何処に行きたいかを聞き始める
そんな姿を職員室の窓から鷹司はじっと見つめていた
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