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学校 2
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朝食をなんとか胃に収めると、馨は急いで玄関へと急いだ
「行ってきます。」
部屋に向かって声を上げると母親がリビングから顔をのぞかせ、「気をつけてねー」と手を振ってくれる
それに応じて笑顔で手を振り返すと、開きかけの扉を開けて棗を探す
「棗っ…」
完全に外へと出た馨が彼の名前を小さく呼んだ
すると、棗はすぐさま姿を現し手を振ってくれる
「…ん。終わったか?」
「うん。」
彼の隣まで走ると棗は携帯を閉じ、一緒に並んで歩きだす
この時棗はいつものペースよりも歩く速度を遅くしてくれる
馨の歩幅に合わせてくれていると言った方が正しいのかもしれないが…
「ちゃんと食ったか?」
「…食べれる分だけは食べたつもり。」
食事をあまり好んでいない馨は殆ど食事を摂らないが、棗になんとか応えようと最近は食事の量を少しずつ増やしているのだ
おかげで前よりは体重が増えた
「薬は?きちんと持ったな?」
馨の鞄を開き、小物入れが入っている事を自分の目で確認すると安心したように鞄を閉じる
「勝手に確認しないでよ。…全く」
鞄を担ぎ直すと馨は口を尖らせて棗を見た
「お前、ぼーっとしてる事が多いからちゃんと入れたか確認したかったの。…ほら、電車遅れんぞ。」
「はー…本当、満員電車嫌い。」
棗は苦笑を馨に向けると
「スペース作ってやるから」
と言って小走りで駆け出した
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