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崩れる 1
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次に馨が降ろされたのは、人気のいない場所でも、薄暗い場所でもなかった。
「あら、鷹司先生。どうしたんです?白雪くんなんか担いで…。」
「こいつ、ちょっと体調が悪いらしくて…そこに寝かせてやってくれませんか?」
最近よくお世話になる保健室のベッドの上だった。
「……白雪くん、また?」
保険医が馨の側までやってき、聞く。
(目の前に番がいるから…)
「……はい。」
火照り顔と潤んだ瞳で馨は保険医の質問に答えた。
「落ち着くまで此処に居ていいから、…鷹司先生ちょっといいですか?」
保険医は優しく馨に告げると鷹司を部屋の外に呼び出した。
「えぇ、構いませんよ。」
保険医と一緒に部屋を出る鷹司を目で追いながら、ホッと一息つく。
それと同時に何処か寂しい様な、一人になりたくない様な複雑な気持ちに襲われた。
(もう少し…って何言ってるんだろ。)
居なくなって清々した。そう思わなくてはと強く思い、目を閉じた。
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