アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
崩れる 7
-
本能がいつの間にか理性を上回り、馨のうなじに歯を立てた。
「ひぁうッッ!!」
勿論、自分が何層にもして巻いたネクタイが邪魔をして馨のうなじに噛み跡は一切ついていない。
(邪魔だ、こんなの…外して…ッッ!!)
外そうと手をネクタイの結び目に伸ばそうとして、止まる。
馨が結び目を両手で握っていたのだ。
「…ゃ、だめ。…外しちゃ…。」
小さく震える声で言われ、鷹司にようやく理性が戻ってくる。
「…約束、が…違う…ハァ…ッ」
馨も薬が効いてるのか、先程までの雰囲気はなくなっていた。
鷹司は慣らしていた指を引き抜き、馨の首元に顔を埋ませた。
もう、噛もうとは思っていない。
「悪い。…やりすぎた。」
馨が肩で息をしているのが良くわかり、それを肌で感じながら事を謝る。
「…怒ってないです。別に。ただ…」
「ただ…?」
鷹司は顔を上げ、馨の顔を覗く。
「…ただ、助けてくれてありがとうございました。本当に辛かったので…。」
礼を言う馨だったが、視線はこちらを向いておらず遠くを見つめていた。
「……。」
それが何だか辛く、鷹司はもう1度謝ると馨の首にかかったネクタイを解きベッドを降りた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 104