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番犬と馬
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「噂の番犬くんは君だね~。うんうん。」
「誰ですか。」
「うーん、そうだな……俺は白雪姫の王子様の馬ってとこかな〜。」
意味不明な紹介に棗は眉を寄せ、苦い顔をする。
「番犬くんはβなんだ、俺と一緒だね。」
「棗、放っておいて帰ろ。」
「あ、あぁ…。」
手が離れ、隙がある今が逃げ時だと馨は思い棗に小声で帰ろうと告げた。
「おおーっと、帰す訳にはいかないぜ~?」
すると神代は棗が馨を庇う際にポケットから落とした携帯を流れるように拾い、目の前でヒラヒラと振り脅す。
「ちょーっとお兄さん達と付き合ってくれるまでこれは預からせていただきます。」
「俺の携帯っ…!!」
「俺も一応高校教師だし変な事はしない、ただ君達に興味があるだけだから安心してよ。」
「……。」
棗は神代を睨むように見つめ、馨の頭を撫でると少し微笑んだ。
「なんかあったら俺が守るから。」
「……棗。」
神代はそんな2人を見つめては胸ポケットに携帯をしまい場所を移動するよう言う。
「そんじゃ、待ってる人もいるし行きますか。」
「待ってる人…?てかあんた本当に誰なの。」
棗は神代に待ってる人が誰かと彼の名前を聞く。
「神代颯、高校で歴史を教えてます!!…んー、待ってる人は白雪姫の王子様だよ。」
帽子の位置を直し名前と待ってる人、つまり鷹司の事を教える神代だが、棗にはその王子様が誰なのかわからなかった。
「もしかして解らない?君が一番よく知ってると思うけど。」
「……。」
馨は鷹司だと告げて良いのか良くないのか揺れながら2人の後ろを歩いていた。
(棗…怒るだろうな……。)
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