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ふたりぼっち
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パタン、とドアが閉まり階段を下る足音が聞こえる。
「ごめんね、お節介だよね、うちのお母さん」
なんのけなしに佐木の方へ視線を向ける。
それと同時に、僕は言葉が出なくなってしまった。
「………!!!!」
(さ、さささ、サキくんの裸がっっ)
見えている。見えているのだ。
包帯が巻かれている部分があり、真っ裸じゃないにしろ、普段は目にすることのない引き締まった筋肉が惜しげもなく披露されている。
慌てて顔を背け、全く関係のないところへ視線を向けた。
それでも脳裏に焼き付いたままの映像を振り払えない。
白すぎず、黒すぎず程よく焼けた肌と金髪のコントラスト。そして形のいい鎖骨から視線を下げれば、色の薄い小さな小さな突起が2つ…。
見てはいけないものを見てしまったような気がして急に体が熱くなる。
2回ほど咳払いをして、熱を覚ますため、美代子の持ってきてくれたジュースをカラカラの喉に流し込んだ。
冷たい感覚が喉を通り、潤す。
「サキくんも、良かったらドウゾ」
視線を向けないようにしながらジュースを渡す。少し間をおいてからそれを受け取った。
その伸ばした腕が視線のはじにうつり、またもや不純な妄想を掻き立てる。
(わ〜…!!ごめんなさいごめんなさい!やらしい目で見てしまってごめんなさい!)
「似てるな。お前と、お前の親」
ストローで氷をつつきながら、唐突に呟いたサキくん。大興奮の僕と比べて、落ち着いた声。恥ずかしいほどの温度差である。
「え、まぁそうなのかな?」
「うん。そっくり」
「親子、だからね」
「そっかぁ」
チュ~、とストローを吸いながらひと呼吸おいてさらに、
「可愛い顔してるよな。」
と、付け足した。
その後も何事もなかったかのように氷をつっつく。カランコロンいう音が聞こえている筈が、まるで耳に入ってこない。サキくんの言葉があまりにも僕の耳にハッキリ聞こえたから。
(か、可愛い…??)
確かにそういった。
彼はその発言をまるで気にしていないようだが、はっきりそう聞こえた。
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