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青春、泥の中で悶えて涙する
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着々と練習を重ね、ついに試合に出られる程度の実力がついたリョウとヒナトにありがたい話を顧問から聞かされた。
「次の試合に俺らを出してくれるんですか!?」
歓喜のあまりに声が震えているリョウに、顧問は深々と同委の意を示す。
「うむ。お前たちは頑張ってるからなそろそろ試合に出して様子見したかったんだ」
お前たち、のところでヒナトに視線を配ることも忘れない。遠まわしだが褒められたヒナトの頬に少しだけ色がつく。
「よしヒナト頑張ろうな!」
「うおお!お前はテンションあがったら俺の髪の毛ぐしゃぐしゃにするのやめろこらぁ!」
大きく腕を振ってリョウを跳ね飛ばしたが見慣れた光景なので誰も注意する人間はいない。いつもの数倍明るく笑うリョウを見て、ひそかにヒナトも燃えたのは秘密だ。
「…だからって、どうしてこうなるんだよ」
「ああ?なんかいったかー?」
「声が小さくて聞こえませーん」
ゲラゲラと下品な笑い声が響き、ヒナトはうっとおしそうに耳をふさいだ。早めに運動場に行って練習しようと思っていたのに久しぶりに変なのに絡まれた。
子供じみた挑発にヒナトのこめかみに青筋がはしっていき、思わず拳を握った。迅速にぶったおそうと無言で殴りかかると、驚いたように目を見開いた男が目前に迫ってくる。
ヒナトの拳が届く寸前、何故かリョウの楽しそうな声音が脳内に蘇ってきた。
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