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似た者同士
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開始早々、客の呼び込み役に回されて、
朝からずっと女の相手をしていた。
女が入れ替わっては、
同じ事を何度も俺に聞いてきて
ベタベタと体に触ってくる。
正直言って鬱陶しいし、イライラする。
ただでさえ着け慣れないコンタクトで
目が疲れてんのに。
これ以上醜い物を見せるなよ。目が死ぬ
派手な化粧に、下品な程短くしたスカート。
なんなら履かなくていんじゃね?
そっちの方が潔いわ。
「せんぱぁ〜い❤︎」
なんて思っていると、また別の女が3人、
これまた鬱陶しそうなタイプの奴ら。
「来てくれてありがとう。楽しんで行って。」
さて、どうやって追い払おうかと
考えている時だ。
「・・・・?」
背後から、ガタッという音が聞こえ
横目で視線をそこにやると、新の姿を見つけた。
看板で隠れてるつもりだろうけど、
足見えてるし。頭も出てる。
それにさっきから凄い殺気
「ふっ・・・」
新の取った行動を見てふっと笑みが零れた。
少し、遊んでみるか・・・
そう思い、新の目の前で
ワザと女に触れて、触らせては
それを新に見せつけた。
これを見て、新はどうするんだろう。
俺が別の奴に触れたら
どう思うんだろうと、考えていたけど
【バチッ】
「・・・・・」
まさか、射撃してくるとは思ってなかったよ。
弾が無くなったのか、背中に当たる衝撃が収まり、
ゆっくりと体を振り向かせて
新に歩み寄った。
まぁ、こないだは新は樹と抱き合ってたし。
もちろんまたムカついたし嫉妬したけど。
あの時は何もしなかったし声も掛けなかった。
俺だけが、必死になってんのかっこ悪りぃし。
だから、新も今回少しは嫉妬してくれたかな?
なんて思いながら新に視線を落とすと
「・・・・・」
俺に見つかって、フルフルと震える新。
ここまではまぁいい。
で・・・・・・・・なに、この格好?
何で女装?女警官?
というより、この格好で校内をウロついてたの?
「新・・・」
ほんと、無防備にも程があるだろ
「お仕置きだな」
他の男に、こんな格好見せるなんて
「ちょっ!何っ!?」
しゃがんでいた新の腕を引っ張って
俺の教室に連れ込んだ
この教室なら、今は真っ暗だし
新の格好を別の奴に見せなくて済む
暫く教室の中を進んで、新を壁へと追い込んだ
「・・・っ、おいっ」
「・・・・・で、」
まさか、嫉妬させようと思って
嫉妬させられるなんてね
「さっきから俺の背中に向けて
何をしてたのかな?」
だから、もう少し仕返しさせてよ。
もう少しくらい、新も必死になってよ。
また、そんな焦りから、
俺はワザと暗闇で新から離れたふりをした。
新から俺を求めさせて、少しくらい焦って欲しかった。
けど、・・・・
「俺以外の奴に・・・触ったり・・・すんなよ」
まさか、そんな事を言われるなんて
「新」
思ってもみなかった
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