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罪悪感
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あの状況で
日野が僕に触れてくるのを辞めるとは思えなかった
正直言って、好きでもない奴に触られるのなんて
気持ち悪くてしょうがなかった
日野は自分を新の代わりにしろと言って
その行為に及んできたけど
新の代わりになんて出来る訳ないだろ。
そんな事をしても虚しいだけだ
だけど日野は、僕が何を言っても
辞めそうになかったから
仕方なく今はそうしてやろうと思った。
一度すれば、日野は満足するだろう
まぁ日野は僕に挿れたかったみたいだけど・・・
その行為が終わると
僕はすぐに日野から離れた
乱れた制服を整えて
うつ伏せになったままの日野に目をやった
「・・・・っ・・・」
日野の体は小刻みに震えていた
その様子から見て
自分が思い描いていたセックスとは
全く逆の事が起こった事に
酷くショックを受けてるんだと思った
体格も背も日野は僕より大きい。
日野自身も、する側だと思っていたんだろうけど
僕がそんな事、させる訳ないだろ
「なに?泣いてるの?」
震えながら目を擦る日野に向かって
冷たい声でそう言った
「・・・ぅ・・・違っ・・・」
「日野が望んだ事だよ」
君が言ったんだ。
僕達は最低な男同士
なら、僕がした事に君が傷付こうが
僕は何とも思わないよ
僕に挿れられて、淫らに体を揺らして
僕の与える快感に身を委ねた事を酷く恥じればいい
そして、二度と僕に近付くな
「い・・・いっちゃん」
「・・・・なに?」
やがて日野は僕の方へと顔を向けた
振り向いた日野の目には涙。
泣いているのに・・・
「・・・なに、笑って・・・」
笑ってる?・・・なんで
「だって、いっちゃん俺の名前呼んでくれたやん・・・」
名前?
「姫の名前呼んだ後に・・・
ちゃんと俺の名前呼んでくれたやん」
「・・・別にそれは・・・」
「俺、嬉しくて・・・」
は?・・・なに言って・・・
「・・・ただの・・・気まぐれだよ」
僕がそう言うと、日野は
それでも嬉しいと言って、また笑った
行為の最中、日野は僕の事を
“ 会長 ”と呼んできた
その時、一瞬だけ新の顔が浮かんでしまった
一瞬だけでも新を抱いていると
頭の中で考えてしまった
だけどすぐに、別の奴と体を交えながら
好きな人の名前を呟いた事に罪悪感が生まれた
新を酷く汚しているように思えた
だから僕は日野の名前を呼んだ
けど日野の事なんて一切考えて無かった
呼んだ名前なんて、意味も無いのに
「えへへ・・・正直挿れられるなんて
思うとらんかったけんど・・・」
なのになんでこの男は
嬉しいなんて言って笑うんだ
「いっちゃん、ありがとう」
「・・・っ」
日野が僕に向けた笑顔に
胸がぎゅっと締め付けられた
あの時の感覚だ・・・
新が最後に僕に向けて笑ったあの時のような
だけど、新の時とは違う
僕はこの男が嫌いだ
嫌いなのに、日野が嬉しそうに笑うから
悪い事をしてしまったと思ってしまう
日野に対しての罪悪感が急に僕を襲ってくる
「いてて・・・にしても
受けってこんなにしんどいんやな。
腰がちと痛いぜよ・・・」
涙を拭き取った日野は
腰を摩りながら体を起こした
「いっちゃん❤︎次は挿させてな?❤︎」
そして、僕に向かってまた笑顔を向けた
「・・・次なんてないよ」
「ええ〜っ??なんでやあ〜
挿れさせてやぁ〜!」
泣き止んだかと思えば、何を言い出すんだよ。
一度すれば満足すると思っていたのに
ほんとにこいつは・・・
「それより、早く服を正して」
ため息混じりに僕は日野に向かってそう言った
「ぶぅ〜。ちぇ・・・」
日野は口先を尖らせながら
制服を着直そうとした
「・・・ん?」
日野が一度シャツを軽く羽織り直した時、肩が少しだけ見えて
そこにあったモノに僕は目が行った
「な、なんやっ?」
僕はすぐ日野のシャツの襟に手を掛けた
「い、いっちゃーん?」
服の上から、じっと肩に視線をやると
日野は少しずつ後ろに下がり始めた
「ありゃ?・・・まだヤリ足りんの?」
「そんな訳ないでしょ。日野、肩を見せて」
「えっ・・・だ、駄目・・・❤︎」
また、日野は後ろに下がる
そして自分で襟を掴んでぐっとシャツを引っ張った
何かを隠しているように見えた僕は
強行手段に出る
頭に過ったのは、舞園が持ってきた資料に記されていた
入院の事・・・
ちらりと見えた日野の肩にあったのは
傷のようなものだった
「いっちゃん!や、やめろっ!」
その肩にあるものが
もしその時出来た手術の跡なら
「やめろって!ちょっ、おい!」
日野から、ちゃんと聞けるかもしれない
なぜ入院していたかも分かるかもしれない
「いっちゃん!!」
拒む日野を抑え付けて
僕は無理矢理シャツをはぐった
「え・・・・」
それを見た瞬間、背筋がゾクっとした
「・・・日野・・・これは」
日野の肩にあったものは
傷なんかじゃなかった
服で隠れて、全ては見えないけど・・・これは
「み・・・見ちゃった?」
日野の左肩にあったもの・・・
桜を纏った 青い龍の刺青
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