アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
こんなの、(ジョナスside)
-
アイヴァンの口から語られたその過去は、余りに悲惨で、凄惨で、聞いているだけでその情景が浮かぶほど丁寧で……―なのに、彼は平然と、何も気に留めていないかの様に淡々と―他人事のように話す。
僕が〝そんな顔〟をしたのはそれが、彼の受けてきた扱いを物語っていたから。
何も感じない。
何も気にしない。
何も―…………………
「………」
くるり、といきなり後ろを向いたアイヴァンはこれまたいきなり服を捲り始めた。
「な、何してるの…」
「…見てもらおうと、思いまして」
現れたのは、オレンジ色の電球の元でもわかる程白い、長らく陽に当たってなかった真っ白な肌。
と、
「これが、その時の傷です。医者が診たとはいえ、あくまで私は奴隷なので…消毒も手当も必要ギリギリの程度でした。
なので、今でも…見えませんが、生々しく残っているでしょう?」
アイヴァンの手が僕の手をそっと取り、背中へ這わせた。
ザラ、と、傷跡独特の手触りがし神経を伝って脳へ送られる。
いつの間にかアイヴァンの手は離れていた。それでも、僕はずっとそこを撫で続けていて。
古傷とは思えない生々しいそれをなぞる度に、目頭が熱くなっていく。
「…っ」
「…、ジョナス、さま…?」
涙が出て、体が勝手にアイヴァンを抱き寄せていた。
こんなの、ダメだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 47