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11年ぶり
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人は、暗い部屋のなか1人きりで3日間過ごすだけで気がおかしくなるそうだ
もしそうなら……あの子は今頃どうなっているのだろう
久しぶりにここに来るな。
黒いスーツを身につけて大きな門をくぐる。
11年ぶりに黒田家に勤めるため戻ってきたはいいものの……
………俺のことなんてもう覚えてないだろうな
そう思うと悲しくなったけど最後に会ったのが11年前でその子はまだ5才だったから仕方ないといえば仕方ないのだろう
それでも……おれはまだあの綺麗な瞳を忘れられない。
昔のことを思い出しながら長い廊下を歩いていると、突然後ろから大きな声が聞こえてきてガシッと腕を首にまわされた。
「おーーっす!!久しぶりじゃん!何年ぶり?背伸びたな〜!!」
「………うるさいです」
「なんだよぉ前はもうちょっと可愛かったのにぃ!!」
………
このギャンギャン騒いでる方は、ここの屋敷の執事長を任されている。これでも今年で28歳だ。
まぁまだ幼いおれの面倒を見てくれたのには感謝してるけど、とにかく昔からこんな感じで疲れる。
「……離れてください英二(えいじ)さん。それにあなたは成長しなさ過ぎです」
「うるせぇな!ちっとは身長分けろこの!!」
英二さんと共に大広間へと向かう。
俺は、今日からまたこの家の執事として働くことになって呼び出されたのだ。
「……あの、英二さん」
「あー、説明はあとでしてやるから、とりあえず叔母さんに会ってこい」
おれの言葉を低い声で制した。
……正直、会いたくない
ため息を吐いて扉を開けると、くるりとこっちを振り向いて叔母さんが勢いよく抱きついてきた。
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