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僕の最終通告
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ヒトミがベッドの横の椅子に座った。
アラシは窓に寄りかかって少し遠くから見守ってくれるみたいだった。
話さなきゃいけないことも、話したいことも沢山ある。
でも言葉が出てこなくて、何も言い出せなくて下を向いた。
「…アズマ、痩せた。」
ヒトミの言葉に顔を上げる。
「前よりずっと痩せた。…俺のせいだよな、ごめん。」
「…違うよ!」
頭を下げるヒトミを見て、思わずそう言っていた。
「違うんだよ。これは…」
〝これは病気だから〟
その一言がどうしても言いたくなかった。
でも言わなきゃいけないことは分かってて。
搾り出すように、声を喉から声を押し出した。
「……っ、もう、僕の体が持たないからで…」
大丈夫。ヒトミは知ってるってアラシも言ってた。
でも、ヒトミは乾いた笑いで僕の言葉を跳ね返した。
「…それ、保健室の先生も言ってたな。嘘、なんだろ?」
一瞬、ほんの一瞬、ヒトミが何を言ってるのか分からなかった。
「だって、痩せたのは飛び降りたせいだ。その前も、病気の素振りなんて欠片もなかったじゃん。保健室の先生がただ俺を来させるためについた嘘なんだろ?」
ヒトミの口が引きつってる。
信じたくないんだ。
現実を見たくないんだ。
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