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僕の最終通告
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「…大丈夫だよ。」
大丈夫なわけがなかった。
未だに体は震えてるし、拒絶反応が出そうだ。
でも、その言葉に嘘は一つもなかった。
「大丈夫。全部が全部シュウくんのせいじゃない。それに、僕はシュウくんを恨んでなんかないよ。」
だって知ってる。人の心は簡単じゃないこと。
辛くても笑うこと。
好きだけど信じられないこと。
会いたいのに会いたくないこと。
いつだって、行動の裏には確かな意思や想いがあった。
それを全部ひっくるめて、人は人だと思うんだ。
その全部が、君だと思うんだ。
「僕はシュウくんが今でも怖い。でもね、好きになりたいんだ。好きになれる、気がするんだ。」
リュウくんも。
ちゃんと仲良くなれたじゃないか。
ヒトミも。
もう一度笑い合うことが出来たじゃないか。
だったら、シュウくんだって。
「シュウくんのこと、許すよ。だから、話を聞かせて?」
シュウくんは呆然と僕を見たまま動かない。
だから、僕が歩み寄るんだ。
「シュウくん。」
シュウくんへ手を伸ばす。
広げた手は、もう震えていない。
「友達になろうよ。」
シュウくんは目を見開いて、おずおずと僕の手をとった。そして、それから笑い出すように涙を流した。
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