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俺逹は Share one's fate ~運命を共にする~
俺、本気だよ兄さん。
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あれからかなり時間が経ち、夏休みになった。湿気が多い暑い日がまだまだ続きそうだった。
朝7時に目覚ましの音で鬱夜は目を覚ました。部活に行くために準備をしようとするが、暑い。と言うより暖かい。
さすがに夏休みとなると鬱夜の部屋にもクーラーの電源が入っている。あまり自分からつけようとしない鬱夜を見兼ねた透子が無理やりにでもつけているのだ。
そんなクーラーのきいた部屋は28度に設定されているが、鬱夜の隣は暖かかった。そして、鬱夜は覚醒してきた頭で思った。
(また連。俺のベッドに潜り込んでたのか。)
ぐっすり寝ている連を起こさないように鬱夜は起き上がりベッドから降りようとする。が、ふと連が鬱夜の手を取った。
「…何?」
「もう行くの?」
上目遣いで連は甘えたような声をだす。
「あー。いや、まだ時間はあるけど準備しなくちゃな。」
「兄さん。………して?」
ちゃんと聞き取れなかった。
「すまない、今なんて言った?」
目線を下げがちで連はもう一度言う。
「だから、兄さん。キスして?」
心の底から思った。バカじゃねえの?っと…。
「手を話せ、連。」
「嫌だ。」
「お前なあ、朝からふざけるのはよせ。」
連は鬱夜の目を見て真剣に見つめた。
「俺、本気だよ兄さん。キスしてくんないと手を離さないから。力勝負も兄さんには負けない。」
(イヤイヤイヤ。おかしいだろこの状況。)
「したら離せよすぐに。」
ふふ。と笑う声が聞こえたような気がする。サッサと終わらせよう。ただ、こんなに無茶な弟のお願いに従う兄はどうよと思ってしまう。と同時に兄弟でキスをするのはどうなのだろうとも思ってしまう。まあ、前にイかされた覚えがあるが…。
(まあ、ほっぺたならいいか。減るもんじゃないし。)
「あーそうそう、兄さん。頬はダメだからね。」
イタズラな笑みが弟の顔には浮かんでいた。
「絶対?」
「絶対。」
「口?」
「口。」
(はあー。)
ため息一つここにあり。
「わかった。やるから、そんな見つめるな。」
「うん。わかった、じゃあ目閉じとくよ。」
目を閉じてもらうのも、なんか違う気がするが、鬱夜はもう一回ため息を付きたいのを我慢して、腹をくくる。なにもされないことを祈って連のふっくらした形のいい唇に自分の唇を近づける。
お互いの息が当たってこしょばゆい。
チュ。
鬱夜は触れるだけのキスをして素早く離れた。
「や、約束だ。はなっっんー?ぁ、ふ、ん。ちょ、ま、うんんーー。」
急に連から濃厚なキスが迫ってきた。唾液が混じってクチュクチュと言う音が聞こえ、鼓動が早くなる。
「兄さん。そんな掠れただけのキスはキスって言わないよ。こうやってさ、ん、クチュッチュ。って舌も絡めながらやらないと俺は満足しないよ?」
イタズラな笑みを浮かべた連は鬱夜の首の後ろに手をやり、耳元で言う。
このまま流されてしまってはいけないとわかっているのに、体が言うことを聞かない。
「れ、ん。いい加減に、はなせ。」
手や足に力が入らず、口で抵抗するのがやっとだった。
「ふふ、イイよ。今のところはここまでね。」
手を離され自由になった鬱夜は連の顔を見ずに部屋からでて行くのがやっとだった。
自分でも顔が赤くなってることが分かったから…。用意なんてどうだってよかった、とにかく今は連から離れないと…。
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