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second day.
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目をさますと、そこはただの平地で、ベッドも宿も消えていた
いるのは俺とユキヤだけ
装備も軽装になってる
「消えるな…このままじゃ」
「データがどんどん奪われてる…進まないと」
ユキヤが歩きだし、俺も追いかける
こんなときにも関わらず、魔物は出てくる
斬って、倒したらまた移動して
俺たちのデータをもっともっと増やせば、きっと生き残れる
「じゃあ、さっさと物語を進めましょ。魔王を倒して平和にしちまえば、俺たちもエンディングを迎えて時を止められる」
時を止められれば、ユキヤを忘れることなく、互いになにも感じることのないまま、消えることができる
だけど魔王を含め、この世界みんなデータなんだろ?
「まだ、魔王消えてないよな?」
「さぁ、やってみないとわかりませんね」
どちらにせよ、急がないとダメってことか
山を越えて、湖の奥へと向かって
魔物を倒して…
でも、こんなんじゃ夜までのデータは得られない…
「…焦らないで。きっと道はありますよ」
「ダメだ。だって、常にイベントがなきゃ消える…。この夜も越せないだろ。今の状態じゃ」
俺たちは今、初期化されてるゲームの中で非常に脆いんだ
いつ消えるかわからない
忘れたくない
ユキヤだけは、絶対に
ユキヤが俺に軽く口づけた
「落ち着いて」
「…でもっ」
舌を入れられ、余裕がなくなってきて、呼吸が苦しくなってきた
でも…ユキヤと…キスしてるんだ…俺…
「ん…ふ…ぁ… 」
「あんたはほんと、可愛いですね」
何度も可愛いと言われると、どうしていいかわからなくなる
「ん…ユキヤ…好きだ…」
暫し、夢中で彼を求めていた
「…ようやく落ち着きましたか」
「…ああ」
彼が抱き締めてくれてる
すごく心地いい…
山をひとつ越えよう
そうすれば、何らかの町があるはず
そこの宿はまだ消えてないはずだ
…たぶんだけど
でも、希望を持っていかなくちゃ
「行きましょ、立脇さん」
「ああ」
…向かおうとして…足を止めた
「…ユキヤ」
「はい」
「名前で呼んでくれ」
…立脇さん
嫌だ
距離をおかれてる気がして
「…スグル、お前ならやれる。頼んだ」
「!」
「あんた、これ嫌いでしょう? スグルって呼んだら、思い出させそうじゃないですか」
…思ってくれたのかもしれないけど
俺はたしかに、スグルって言われるの嫌いだけど
でも、立脇さんはもっと嫌だ
「…お前が、記憶を塗り替えてくれればそれでいい」
「…我儘だなぁ」
頭を撫でられ、額に口付けられて
「…スグル。…でいいですか?」
どうしよう
すごく顔が赤い
「…ユキヤ。やっぱ…」
ダメだ
恥ずかしいからってそんな選択したら絶対後悔する
「…ありがとな。スグルの方が落ち着く」
「落ち着いてないみたいですけどね」
またキスされた
恥ずかしくて恥ずかしくて
思わず魔物に八つ当たりした
後でユキヤに怒られた
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