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異形ト畏怖。
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ま、そういうことで。
俺はこの世界で霊帯者として生きていくことにしたわけだけれども。
異形、異形、異形。
どこもかしこも異形だらけだ。
RPGの世界に迷い込んだみたいな、そんな感じ。
無論、ここにいるのはどちらかというと倒される側のような見た目をしているんだけど。
やばい、常にエンカウント状態。
「何言ってんだ。逆に言うと異形でなければ妖怪達は生きていけないんだ」
「どういうことだよ」
「俺たち妖怪は、人々から『畏れ』(おそれ)を持たれて初めて存在することができる。認可されることができる。最近はそういうのも無くなって来ているがな」
「神様みたいなもん?」
いや、そういうの詳しくないけど。
「まぁ、並べてたてるモノではないがな。解りやすいならそれでもいい」
で、その『畏れ』がないと存在できないのと、見た目はどう関係しているんだろう。
「いや簡単なことだろ。見た目は性質と『畏れ』に深く関係する。見た目が『人とかけ離れていれば離れているほど』人は畏れを抱く」
人間は。
自分と違うモノに排他的な傾向にある。
かつて新大陸に上陸した人が先住民の見た目の違いや言葉の違いに恐怖し、『畏れ』をなしたように。
その行方が大量虐殺だったりするんだけど。
異端であることは未知であることだ。
「つまり、見たこともないナリをしている方が怖いってことか」
「そういうことだ。俺たちは見た目を変えられるタイプ・・・俺らみたいな『化』物と、生まれ持って異形であるタイプがある。矢来は後者だな」
「たしかに矢来さんには面食らったけど・・・でも良いひとだよ」
「・・・まぁな」
「他にも紅葉みたいな見た目詐欺者がいるってことか」
「その言い方はやめろ・・・『これ』だって本人の資質と才能と努力の賜物(たまもの)なんだからな」
「へいへい」
そんな紅葉の隣に居ながら。
俺は、まだ迫りくる未知との遭遇を知らなかった。
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