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★悲しい涙
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俺は目につく空き教室を片っ端から回った………
だが、金井はなかなか見つからなくて目撃情報もない。
ただ残酷に時が過ぎていく。
――――――――くそっ…!!
どこにいるんだ!!
ここの学校 空き教室ありすぎだろ!!!
探し始めてから1時間が経とうとしていた。
汗が体中から流れていく。
体力はあるほうだが、流石に1時間ぶっ通しで走り回っていたため、足が痛い。
喉が苦しい。
それでも走り続ける。
そして、ふと一つの空き教室が目に入った。
ドアについているカーテンが締め切っていて中が見えなくなっている。
不思議に思ってドアに手をかけた
が、開かない。
――――ここだ!!!!!
そのまま思いっきりドアを叩いた。
ドンドンドンドン!!!
すると中から騒がしい物音がして、すぐさま しーん…と静かになった。
「おい!!!金井か!?」
反応がない……
ドンドンと叩きながら金井の名前を呼んだ。
すると「ひ……日代……」と、小さくて か弱くてすぐにでも消えてしまうような声が聞こえた。
とにかく、金井が見つけられて安心した。
ドアを開けてほしいと言ったが金井はカーテンは開けてくれたが、ドアは開けてくれなかった。
すこしすると すすり泣く声がドアの向こう側から聞こえた。
「っ……ぐすっ……うぅっ……」
金井………
「泣いてるのか…?ドア…開けてくれ…。」
するとポツリポツリと金井が話はじめた。
「俺は汚い。」と。
その間も金井はぐすぐすと泣いている。
汚いわけないだろ……
誰がそんなこと思うんだ……。
「………汚くなんかない。金井は…汚くなんかない。絶対 汚いなんか思わないから……開けて……?」
ぐすっと金井が鼻をすする音がした。
………お願いだ……金井……。
すると俺の気持ちが伝わったのかガチャンとドアの鍵があいた。
そのまま勢いよくドアを開ける。
そこに立っていた金井の状態は…かなり悲惨で、一目で何が行われていたかを物語っていた。
ぎゅうっ……と胸が締め付けられた。
そのまま金井に引き寄せられるように思いっきり抱きしめた。
金井の体は…細くて…もろくて…壊れてしまいそうで……とても暖かかった……。
金井が俺の名前を呼ぶのをさえぎって「怖かったよな…怖かったよな…」
って、声をかけると
金井は、切羽詰ったように涙がボロボロとこぼれて
大声で泣き始めた。
その泣き方が……涙が……
とても悲しくて………切なくて……
俺は腕の力をいっそう強めて抱きしめた。
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