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☆会いたい。
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怖い、怖い、怖い、怖い……。
めちゃめちゃ怖いよ……?本当は……。
蓮に拒絶されたらどうしようって…
でも、でも……それよりも「会いたいな。」って思ってしまったんだ。
蓮に会いたいって。抱きしめてもらえなくてもいい。頭を撫でられなくてもいい。
……エッチができなくたっていい……。
蓮と目が合うだけでいい。俺を視界に入れてくれるだけでいい。
俺と笑いあってくれるだけ……それだけで俺は満足なんだ。
その気持ちが俺を強気にさせる。
ゆっくりと歩いていた足は早歩きになり、気づけば走っていた。
――――あ……。俺……いつも走ってる……。蓮に会いにいく時には、いつだって走ってる。
はぁはぁと息が切れても、辛くても走ってる……。
それが……これが……俺が蓮への気持ちの精一杯なんだ。
また繰り返していた蓮の浮気。
今日、具合が悪いと言ったのも もしかしたら嘘かもしれない。
確かにアパートでの光景は俺にとって悲しかったし、虚しかったし、胸が痛かった。
それでも蓮を嫌いにならないのは、優しくて暖かくて……無邪気な綺麗な笑顔……俺の大好きな蓮の笑顔を知っているから…。
俺が………蓮の本当。を知っているから…
目を閉じれば、いつでも瞼の裏に浮かんでくる無邪気な蓮の………え、がお………
あれ…………、今……蓮の笑顔の後ろで
かすかに浮かんだ顔……。
ピタッと止まる走っていた足。
―――あれって、もしかして………?
俺はそんな考えをブンブンと頭を振って振り払って、またアパートへ走り出した。
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アパートのドアを開ける。
ガチャッと音がして、そぉっ……と入る。
部屋の中は、とても静かで ひっそりしていて「おかえり。」の返事も返ってこない。
浮気相手は………いないな。玄関を見ると、浮気相手が履いていた靴がなかった。
少し…ホッとした……。
「たっ、ただいまぁ……」
そう言って入っても返事がない。俺の声だけがアパートに響く。
聞こえるのは俺が床を歩く音と、チクタクチクタクとなる時計の音だけだった。
「…蓮………?」
声をかけても返事がない。物音すら聞こえない。
…………なんだか、ここだけアパートの時間が止まっているみたいだった。
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