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☆気づいてしまった
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もう俺は何も言えなくなってしまった。
自分でも充分自覚してしまった気持ち……。
俺は蓮が好きだ……。浮気が分かっても……。それは今でも変わらない…。
でも、頭に和也がチラつくことがある。
……和也に惹かれつつもある…
こんなの……浮気よりも酷いじゃないか……
俺は決意した……。このまま蓮の所に居てはいけないと…。
ぐいっと涙をふく。1番泣きたいのは俺じゃない。蓮のはずなんだ。
蓮の目をしっかりと見た。
強く、優しく、暖かい、綺麗な目……。
いつの間にか長い時間が経っていたのか、後ろの窓から月の光が部屋に差していた。
月の光で蓮の金髪がキラキラと輝いていた……
綺麗だ………。
そんなことを思いながら俺は ゆっくりと口を開いた。
「俺は……蓮が好き……
この言葉に嘘はない……。本当だよ…
………でも、蓮が言った通り、頭にチラつく…惹かれている相手が…和也がいるのも本当で………
ほんと……最低…だよね……」
俺が言うとギューっと蓮が俺を抱きしめた。
「いやだ……いやだいやだいやだいやだ……!!
明……っ!行かないでくれ……いやなんだ……明ぃっ……!!」
そう言って叫んだ蓮の声と腕が震えていた。
蓮っ………。ごめん……ごめん…なさい……。
もう……俺は蓮の背中に腕を回せないよ……
こんな汚れた手で蓮に触れていいはずないんだ…ごめんね……蓮……。
「明………明…明明……あ…きっ…
遠くに……行かないでくれ……」
「ごめんっ……蓮…っ……
ごめっ…なさいっ……」
かすれた声と謝罪しか出てこなかった。
謝って許される訳じゃない……
でも、それしか出てこなかった……
俺は震える手で蓮を押した。
「ごめっ……蓮っ……ごめん……
俺は……もう…蓮を……抱きしめることは……できっ…ない……」
蓮は凄く悲しそうな顔をしていた……
まるで…捨てられた子犬のような……
少し時間がたってから蓮が口を開いた。
「分かった……でも、最後…最後にさ……
抱かせてよ……」
俺はその言葉にゆっくりと頷いた。
『最後』その言葉が頭に響いた……。
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